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Magical Girl Lyrical NANOHA− 復元する者 −
第3話 魔導師とマホウツカイ
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覚めた。
何も話さないだろうし、これ以上この場に留まる意味もない。
「待ちな!」
「ーーーーー」
「おい、アンタ!」
女性の静止する声を無視し歩いていく。
少女の事も心配だろうから追ってくる様子もない。
でも……ここは隔離結界の中。
『
魔術
(
ルーン
)
』も行使せず、出る事は出来ない。
二人から少し離れた場所で立ち止まり、葛葉は拳を構えた。
後ろから、何もない場所で拳を構えだした葛葉の行動の意図が読めないのか。
怪訝な視線を感じるが無視する。
葛葉の口から静かに『言霊』が呟かれる。
「ーーー『
復元する原初の世界
(
ダ・カーポ・ゼロ
)
』ーーー」
葛葉が自身の本当の『
能力
(
チカラ
)
』を解放する。
その瞬間、構えた右腕には蒼光を纏わり、『
魔術
(
ルーン
)
』が紡がれる。
蒼光は徐々にその密度を濃くし、魔力が彼の右拳に収束していく。
葛葉の放つ膨大な魔力に結界内が軋み、大気が震えた。
後ろにいる二人は、その光景を呆然と眺めている。
彼女達が束になった所で未来永劫届く事のない力の深淵。
総ての存在を超越し者の一撃。
「『
神討つ
(
フェンリス
)
ーーーーーーーー』」
狙い戻すは、自分を阻む檻。
彼女達の展開している結界。
蒼光に輝く魔力が一層に輝き出し……。
「『ーーーーーー
拳狼の蒼槍
(
ヴォルフ
)
』」
発せられた言霊。
解き放たれる『神話魔術』
葛葉の鋭く振り抜かれた拳から、編まれた『
魔術
(
ルーン
)
』が一条の閃光となり、結界を切り裂いていく。
周囲に結界の魔力が無くなった事を確認すると、葛葉は構えを解き、再び歩きだし始める。
少女と女性は、未知の魔法を使った葛葉を見て驚いている。
それも束の間。
少女の方が先に我に返り、遠ざかっていく葛葉に掛けた。
「待って!?」
「ーーーー」
「っ……待って!!」
呼び止める声を無視し、公園を出ていこうとする。
少女が女性から身体を離し、弾かれたように走り出す。
女性が待つよう静止する声を聞かず、葛葉の下へと駆けていく。
流石に必死な声音に気がとがめてきたのか。
葛葉が足を止め、振り返る。
振り返ると同時に、近付いてくる少女に向かって何かを放り投げる。
慌てて、少女は放り投げてきたモノを受け止める。
それは手のひらにしっかりと納まった。
そこにあったのは、
蒼い宝石
(
ジュエルシード
)
。
少女は葛葉と宝石を交互に見ながら、戸惑った顔をする。
先程、渡さないと言われたモノをいきなり渡されれば、そうなるだろう。
「な、なんで……」
「追い掛けられてこられても困る。目的は“それ”だろ?やるよ……精々頑張って
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