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Magical Girl Lyrical NANOHA− 復元する者 −
第3話 魔導師とマホウツカイ
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応が遅れ、三体の内、二体の異相体を完全に消し飛ばし、最後の一体には僅かに触れ、その体を一部削るだけに留まった。
解放されし九つの鍵(レーギャルン)』で威力を封じているとはいえ、神話にて九つの世界の内一つを滅ぼしたとされるその破壊力は絶大。
建物の屋根も削りとられ、一筋の光が虚空を照らす。

圧倒的な破壊力を前に、なのはとイタチもどきが呆然としている。
『神話魔術』を放ち終えた、サクラが一息をつく。
流石に幼い体では負担が大きいらしい。
生命力(オド)』と『精神力(マナ)』の消費も甚大だろう。


「ゴメン、マスター……一匹外しちゃったんだよ……」

「良いよ。二匹消しただけでも上等だ。後はアイツに任せる」


葛葉は空中に浮かぶなのはに視線を向けた。
自分の方を見る兄の姿を見て、無事なのを確かめ、安堵する。
心配をかけてすまないと思うが、それどころではない。
異相体の生き残りは、サクラの一撃を受けて脅威に思ったようだ。
建物から遠ざかり、逃走を開始する。
なのはに向かって葛葉が声を上げる。


「なのは!追え!逃がすなよ!」

「!?う、うん!わかった」


葛葉の言葉に応じ、なのはは慌てて、異相体の後を追う。
なのはの姿が遠ざかっていくと肩の力を抜く。
初陣とあり、少し緊張した。


「お疲れ様、マスター」

「あぁ……サクラもお疲れ」


互い労いの言葉を送る。
初の『魔術(ルーン)』の行使であったが問題はなかった。
サクラの補助兵装(オプション)も本来のスペック以上に機能してくれている。
自分の寿命が尽きる日まで使われる事は無いとタカを括っていたが、使う日が来てしまった。
サクラの頭を撫でながら、自分達の姿を呆けて見ているイタチもどきに視線を移す。

さて……。


「おい、イタチもどき」

「っ!?は、はい!?」


葛葉に声を掛けられ、我に変える。
イタチもどきは葛葉とサクラの両方を改めて見る。


「あ、あの……き、君達は一体ーーーーー」

「僕らか?僕らはーーーーー」


意識の戻ったイタチもどきの問いかけに、葛葉はいたずらっ子のような笑みを浮かべる。
サクラもその横で、優しく微笑んでいる。
問われた以上、答えるのが筋だろう。


「僕らは、ただの『マホウツカイ』だよ」

「はーーーーー?」


葛葉はイタチもどきに、そう名乗る。
言葉の意味が解らず、口を開けて首を傾げる。
その様を、面白そうに眺める葛葉。


これが後に……総ての魔導師の頂点に立ち超越せし者『究極魔法使い(ガイア・ウラヌス)』と呼ばれる少年と。

イタチもどき……ユーノ・スクライアとの……。


ーー
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