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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第五話 ロマーニャ基地A
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西はリベリオン、果ては欧州諸国を含めた世界各国のウィッチらが、皆一様にごちそうさまでしたをする光景は、和音にとっては実に意外だった。多国籍の部隊というのは、もっとこう、なんというか機械的な気がしていたのだが、どうやらそうではないらしい。
「宮藤さん、リーネさん」
食器の片づけをしようとした宮藤とリーネを、ミーナが思い出したように呼び止める。
くるりと振り返った2人に向けて、ミーナはにこやかにほほ笑みながら言った。
「一応、沖田さんの部屋を用意したの。2人が案内してくれるかしら?」
「「わかりました!」」
驚いたような表情をする和音に対し、坂本とミーナは泰然とソファに身を沈めたままだ。昨日の今日だというのにこの手際の良さ。統合戦闘航空団の隊長は伊達ではないということか。
「ああ、それからもう1つ。沖田、このあと少し時間はあるか?」
「は、はい。問題ありませんが……」
時間など腐るほどあるくらいだ。困ることなど何もない。が、肝心の仕事や何やらが何もないのだからどうしようもない。
「お前のユニットについて少し話を聞きたい。基地の案内が終わってからで構わんから、格納庫の方に顔を出してくれ」
「了解しました!」
頼んだぞ、と言い残して食堂を出ていく坂本を見送ると、食器の片づけを終えたらしい宮藤とリーネがやって来て言う。
「行こう、沖田さん。基地の中を案内するよ!」
「ここの基地、ものすごく広いんですよ。地下には洞窟もあるんです」
「そうなんですか!?」
驚いて目を丸くする和音の手を取ると、リーネと宮藤の2人は駆け出して行った。
「えっと、改めて宜しくお願いします。リーネさん、宮藤さん」
「ううん。そんなに気にしなくてもいいよ」
「同じウィッチですから」
出身国も、生まれた時代も、何もかもが違うというのに、不思議と2人は和音を温かく迎え入れてくれた。食堂を出て、談話室を抜けた後、3人は長い石造りの廊下を歩いていた。
「あ、滑走路……ここ、海が見えるんですね」
「そうだよ。なんだか横須賀を思い出しちゃうなぁ」
「芳佳ちゃんも海の傍に住んでたんだよね。あ、ここから見えるのはアドリア海ですよ」
「なるほど、これが……」
和音も欧州の海を見るのは初めてだ。なんというか、扶桑の海よりもなお一層濃く蒼い気がする。
「ねぇねぇ、和音ちゃんってさ――」
「か、和音ちゃん!?」
唐突に、宮藤が和音の顔を覗き込むようにして話しかけてくる。と、和音は思わず宮藤の口から洩れた「和音ちゃん」なる一言に耳ざとく反応してしまう。
「うん。和音ちゃん。だって私たち友達でしょ?」
「友達……」
「そうだね。私の事もリーネ、って呼び捨てにし
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