第九話「一夏VS千夏」
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紋様のついた牙狼剣を研ぐ。
すると、剣身が金色に輝き、千夏に向けて振り上げると金色の弧を描く軌跡が放たれる。
「何ィ!?」
咄嗟に避ける千夏だったが、目の前に金色の狼のバイザーが映ったことで驚愕し、動きが止まる。
アリーナの地面にはクレーターができており、一夏は地面を蹴って千夏のところまで跳んだのだった。
「オオオオオオォォォォォォオオオオオオ!!」
一夏は雄叫びを上げながら、動けない千夏の腹に牙狼剣を突き刺して降下する。
KIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIN!!
途端に白式から金色の波動が吹き出し、それが漆黒だった鎧を黄金に染め上げる。
「こんな、こんなバカなァァァアアア!?」
〈最適化フィッティング、終了。一次移行ファースト・シフト、完了。単一仕様能力ワンオフ・アビリティー、武装の破損により使用不可〉
降下中、白式からのメッセージを千夏は確認するが、状況はすでに手遅れだった。
「性能を活かしきれず、去ね!」
千夏は反撃もできず、地面に叩き付けられた衝撃で意識を失った。
「こんなものか…」
千夏をクッション代わりにしたため、ダメージがあまりない一夏は千夏の上から降りる。
鎧は漆黒から黄金へと変わり、その姿はまるで夜闇を斬り裂く一筋の光のようであった。
「……きれぃ」
「……うん」
観客席では、観客達が一夏の鎧の美しさに心を奪われ、思わず呟く声があちこちから聞こえた。
『試合終了!勝者、一夏ウェストコット!』
歓声が沸き上がる中、一夏は気絶した千夏を転がしたまま自分のピットへ向かった。
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