第九話「一夏VS千夏」
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
場合、絶対防御も発動しない状態なので死ぬかもしれない。
(ふん!千夏をバカにする奴は、痛い目に合うのは当然だ!)
各々が思考していると、アリーナでは砂埃の中に突っ込んだ千夏が、次の瞬間に吹き飛ばされて地面を転がっていた。
―――アリーナside
(クッソ!何でだ、何故天才である筈の僕が!!)
「認めよう。確かにお前は天才だ。だが、それだけだ」
砂埃の中から現れる一夏を睨み、千夏は剣を強く握りながら立ち上がる。
「クソォォォオオオオ!!」
「型にはまりすぎだ。教科書通りの動きじゃ、すぐ読まれるに決まってるだろ。ちっとは、工夫しろ」
冷静さを失い突進する千夏の剣を受け止めると、拮抗すると見せかけて左手で拳を握って、千夏の顔面に叩き込む。
グラついた隙を逃さず、鍔迫り合っていた剣を弾き、千夏の胸元に一閃する。
KIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIN!!
「チッ!」
再び、金色の波動で飛ばされそうになるが、地面に牙狼剣を突き刺すことで耐える。
「ハアハア!どうやら、僕を斬れないみたいだな!」
勝機を見出した、とでも言いたげな余裕の表情に戻る千夏。
「斬り裂いてやるさ。それに、もう見切った!」
一夏が牙狼剣を掲げ、頭上に円を描くとその円から、一筋の光が溢れ出す。
千夏やアリーナの観客、そして管制室にいた千冬達も例外なく、あまりの眩しさに目を逸らしてしまう。
「何だ!?」
光が収まり、そこには全身装甲フルアーマーをまとった一夏の姿があった。
頭部と胸部の一部を除き、闇に溶け込むような漆黒の輝きを放ち、狼のような鎧の姿という、ISらしからぬ姿に観客達は息を呑む。
―――GARRRRR……
「姿が変わったくらいで、いい気になるな!」
千夏はブレードを振り上げて、未だ棒立ちの状態の一夏に接近する。
(もらった!!)
パキィン!!
勝利を確信した一撃は、一夏の鎧に下ろしたブレードが折れたことから覆される。
「嘘だ…」
「いいや、現実さ」
ゆっくりと近づく一夏に、千夏は恐怖を感じながら後ろに下がる。
そこで、千夏は気付いた。一夏が、今まで宙に浮かばずに戦っていたことに。
「そうか!お前は飛べないんだろ!?」
あくまで希望的観測に過ぎず、普段の千夏ならもう少しマトモな行動を取っていただろうが、もはや、そんなことを考えていられる余裕などなかった。
アリーナの上空のシールドギリギリまで上昇した千夏は、勝ち誇ったように笑みを浮かべる。
「……………」
一夏は無言のまま左手の甲で、幅広・両刃で大型、束頭と刀身に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ