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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
幻想御手
Trick17_だったら"檻"に入っていただきますか
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るために“白い軌跡”を凝視する。

そこには囲うようにしてあるのは、“白い軌跡”こと無数の"牙"

今までとは違い、"牙"は全く動かない。
しかし、檻のように重なり人が抜け出せる隙間は無かった。

高千穂に逃げ場はなかった。

「"血痕の道"(ブラッディ・ロード)


 Trick  "無限の空"(インフィニティアトモスフィア)

      "無限の牢獄"(インフィニティジェイル)    」


信乃はそう言いながら3発の牙を出した。

これで高千穂の正面、唯一"牙"がない空間にも出されて完全に逃げ場がなくなる。


高千穂は今から起こることを"自動操縦"ではなく、自分の考えとして分かっていた。
だから、動けない。動いても意味がない。

「あ・・・これは・・・」

「自動操縦は俺の攻撃に反応して避ける。

 だが、俺が攻撃を仕掛ける前だったら無反応だ。

 それはつまり、攻撃前の準備には反応しないってことだろ?」

信乃はニヤリと八重歯を出すように笑う。

「それに、いくら自動で避けようとも、逃げ場がなきゃ自動もくそもない

 避けられないんだからな」


最後の"牙"を一発撃つ、"檻"とは違い、今までの動く"牙"を。

それが周りの"檻"に当たり、一つ一つが連鎖して停止していた"牙"が徐々に
中心に、高千穂に向かいって同時に動き出した。

速度も上げながら徐々に、確実に。

「これ全て浴びたら、さすがに大怪我するでしょ?

 閉じろ   牙  」

高千穂に当たる頃には今まで以上の"牙"、全てが必殺の威力になっていた。

「かっ・・がはっ・・!!」

高千穂は牙を受けて血を出しながら吹き飛んだ。

血煙が道のように散りながら・・



さすがに全ての"牙"を受けて高千穂は動けなくなっていた。

そんな高千穂に信乃は近づいた。

「よかった。生きてるみたいだな。手加減したけど心配だったんだよ」

「こ・・れで・・てか・・げんかよ・

 おまえ・・いっ・たい・・ なに も・・ん・・だ」

「無理してしゃべるなよ。

 でもまあ、あんたは戦う前に名乗ったのに俺は言ってなかったな。

 俺の名前は西折信乃。 能力は教えたくないから言わない。

 でも、何者かって質問には答えるぜ。


 おれは   "暴風族(ストームライダー)  だ」






佐天は見ていただけだった。

諦めると言った信乃に、白井は叱咤したが、佐天は何も言わずにいた。

痛みで呻いている白井の元へも駆け寄ることをしなかった。

いや、できなかった。


こわかった


いきなり首を絞められた。

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