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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
幻想御手
Trick17_だったら"檻"に入っていただきますか
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つかない。


突然、信乃は諦めたように言う。

「やっぱり、だめか」

「? なにがだめなんだ?」

「このままじゃお前に勝てないってことがだめなんだよ。だからおれは諦める」

「! はははははは! もうネタ切れかよ! 一撃入れられると期待したが
 出来なかったな! でもやられるかもしれないスリルが楽しかったぜ!

 ははははははははははははは!!!!」

自分の勝利を確信し、高千穂は高笑いをした。


「し、信乃さん!」

急に高千穂以外の声がし、2人は振り向いた。

そこには上体をようやく起こしている白井がいた。

「信乃さん! 諦めては、だめですの!」

「白井さん! 大丈夫ですか!?」

戦いが終わっていないために白井に近づけなかったが、せめて怪我の確認はした。

「はい、肋骨が少しやられてますが、なんとか・・グッ!」

怪我に響いたのか白井はうめいた。

「無理しないでください!」

「そうだぜ、お前の運命は決まった! 2人まとめて仲良く地獄行きだ!

 俺って優しいぜ! はははははははは!」

「いや、俺ら地獄行くつもりないし、負けるつもりもないよ」

信乃は高千穂に向き直り言った。

「何言ってんだ? さっき諦めるって言ったじゃねえか」

「ああ、諦めるよ」

いつもの笑顔を信乃は出した。

しかし、顔はいつもと同じだがこもっている殺気が戦闘中の比ではなかった。


「諦めるのはな、あんたに大怪我を負わさずに捕まえることだよ。
 これでも、一応風紀委員なんでね」

「は? 今まで俺に傷一つ付けられない奴が何をどうやって大怪我にするんだ?
 俺の獣以上の動きを捕えきれるのかよ!?」

「獣・・ね。だったら"檻"に入っていただきますか」

信乃は白井の方を向いて

「もう少しだけ待ってください。すぐに終わらせます」

笑顔を見せて信乃が消えた。

一瞬だけ見えた笑顔。その時の眼は碧かった。



「お前の速度ならギリギリ見える! わかれば"自動"でどうにかできんだよ!」

高千穂が視点を広くする見方をして信乃の動きを追った。

信乃は白井でもなんとか見える速度で高千穂の周りをランダムに駆け回る。

あまりの速さで動くため、残像が“白い軌跡”を残しながら走り続けた。


そして、数秒後、高千穂の前で止まった。

「・・何がしたいんだ? 適当に俺の周りを動きまわって」

「だから、檻に入ってもらうって言ったでしょ」

「は? ・・まさか!?」

高千穂は気付いて周りを見渡した。

残像が残した“白い軌跡”が消えていない。

目の端で捕えるような見方ではない、物を認識す
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