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イーゴリ公
第三幕その一
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んな彼等を見ていた。彼等にしてみればこれ以上はない恐ろしい叫びであった。ウラジミールもそれを聞いて顔を暗くさせていた。
「いよいよ彼等が出撃するのだな」
「そのようですな」
 家臣の一人が彼に答える。
「我等の故郷で」
「馬蹄でルーシーが踏み躙られる」
 ウラジミールはそう言ってさらに暗い顔になった。
「あのハーンにより」
「そうして全てが奪われる」
 家臣達もまた暗い顔で述べる。

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