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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜妖精郷と魔法の歌劇〜
陰謀と計略
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いないだろう。
思っていた、そう思っていた。が、ここにいた。
「何でそんな物でやり取りしてるんだ?普通にメッセでいいだろ?」
「あー、僕フレンドリストにはカグラ以外登録してないんだよ」
「………………………」
えぇーっ、と俺は思わずレンの後ろに控えるカグラを見るが、彼女はただ黙って沈痛そうな表情でため息をついた。
彼女の心中が限りなく解かって、俺はホロリと来てしまった。
うるさいなぁ〜、と言いつつ、レンはくるくると羊皮紙を開いていく。
サッと通されたレンの両眼が、スッと鋭く細められた。硬く閉じられた唇の隙間から、やっぱりか、という意味深過ぎるかつヤバそうな香りがビシバシ匂ってくる言葉が漏れ出てくる。
「どうしたんだ?レン」
しかし、訊かない訳にもいかないので、俺はレンに訊いた。
紅衣の少年は、その問いにやっと羊皮紙から目を外して軽く首を振りながら、やれやれと言う風に言った。
「どうもこうもないよ。僕の種族のケットシーが、リーファねーちゃんのシルフ族と同盟を結ぼうとしてたんだよ。今日ね」
「へぇー、でも同盟なんて簡単に結べるのか?世界樹の上に到達できるのは一種族だけなんだろ?」
「もちろんそこはどうにかするんだろうさ。んで、僕が昨日シルフ領の近くにいたのは、シルフ領主に同盟を結ぶための会談の場所の最終確認をするためだったんだよ」
その言葉で俺は思い出した。確かに昨日、レンはシルフ領内で用事があるとか言っていたような気がする。
「なるほど、そこまでは分かった。じゃあ、それがどうまずいんだ?」
俺がそう言うと、レンはきょとんとした顔でこちらを見た。
「どうしてまずいことだって分かったの?」
お前の深刻そうな顔など、そんなときくらいにしか見ないからだ。
「ふ〜ん。ま、いいか。その会談なんだけどさ。狙われたんだよ」
「狙われた?誰に?」
「サラマンダーだよ。奴らは会談を襲って、ケットシーとシルフの領主を討ち取ろうって考えてるんだって」
「そ、それは確かに大事だな。でも、サラマンダーがその領主さん達を討ち取って、何かメリットがあるのか?」
まぁ、メリットがなかったらそんなことはしないと思うが。
レンは肩をすくめて、どこか吐き捨てるように言った。
「まず、シルフとケットシ−の同盟で多少変化するパワーバランスがなかったことにできるでしょ。それから、領主を討ったことによるボーナスだね」
「ボーナス?」
「ボスを討った時点で、討たれた側の領主館に蓄積されてる資金の三割を無条件で手に入れることができるし、十日間、領主の街を占領状態にして税金を自由に掛けられる。これだけで目も回るくらいの大金だろうね。なにしろ、サラマ
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