第八十七話
[3/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
にせ私はこの山門から離れられぬし、中に誰も通すなと命じられている。この場を動く事は叶わんよ」
「なるほど」
と、何かを考えたそぶりのチャンピオンは一度後ろに大きく跳躍すると光り輝く翅をだし空中に静止すると、魔力を編み込んだ板のような物を山門の一番上の段に形成し、足跡の足場を形成するとその縁に着地した。
わたしは完全にその足場の下へと分断されてしまった感じだが、あのアサシンの攻撃があの刀のみならばわたしへの攻撃は無いだろう。…宝具の真名開放が高威力の殲滅系で無い限り大丈夫のはずだ。
「なかなかに良き趣向だなチャンピオン。これで私もおぬしも心置きなく技を振るえると言うものよ」
「ええ」
答えたチャンピオンの背中からは翅は消え、再び両足を地面…とは言っても魔力で編んだ足場だが…に着いている。
仕切りなおした彼らの刀が再びぶつかる。
先に動いたのはチャンピオンだ。
「御神流…虎乱っ」
と、聞こえたときには既に彼女の姿は消えていた。いや、消えたと言う表現しか出来ないほどに高速で地面を蹴ったのだ。
「くっ!」
ギィンっ!
一際鈍い音が響く。
チャンピオンがその手に持った小太刀で振るった二連撃をアサシンは力任せにカウンターで返したのだ。
一度弾かれたものの直ぐに追撃するチャンピオン。足場がしっかりした為かその攻めは先ほどよりも鋭く速い。
しかし、それを刀一本で防いでいるアサシンの技量も相当のものだろう。
キィンキィンと剣戟の音だけがこの山道を埋め尽くさんばかりに響き渡る。
威力負けしたのか吹き飛ばされたチャンピオンは空中でくるくる回り制動を掛けて着地すると、再び地面を蹴った。
「御神流・射抜っ!」
「秘剣…ツバメ返しっ!」
目にも留まらぬ速度で距離を詰めてに至近距離からの突き技。しかし、横一文字に構えたアサシンが繰り出す秘剣が逆にチャンピオンへと襲う。
「っ!?」
もはや直感でチャンピオンはその剣の不気味さを感じ取ったのか脚力の限界で踏ん張ると制動を掛け、再び後ろへとバックステップ。
「ほう…躱したか」
はらりとチャンピオンの髪が流れ落ち、頬にうっすらと刀傷が走って血がにじんでいる。
「凄いわね…あの一瞬で三方向の太刀筋が一瞬で走るなんて…人間業じゃないわ」
「昔空を舞うツバメを切ろうとして修練した技だ。なに、我流の手慰みだよ。そなたのような正統な物ではない」
「いいえ。一代で自分の技を編み出し、それを至高の域まで昇華させる事が出来たあなたはまさしく東西に名を馳せるほどの実力を持った剣豪よ」
「そうか…そなたのような剣豪に褒められるのも悪い気はせんものよな…だが」
「ええ。次が最後の攻
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ