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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第2話:姉の死
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前まで来て、ゲオルグのすぐ後ろに続いていた魔力探知を担当していた
隊員があっと声を上げる。

「どうしました?」

「微弱な魔力反応を探知しました。 この奥に何かあるようですね」

「見せてください」

ゲオルグは魔力反応の大きさを確認すると、スンと鼻を鳴らした。

「本当に微弱ですね。 おそらく問題はないでしょうが、念のために
 確認をとります」

ゲオルグはそう言うと、自分のデバイスにデータをダウンロードして艦へと送る。

「B01よりシャングリラ。 ポイント54で魔力反応を探知。
 今データを送りました。 指示をお願いします」
 
しばらくあって、シャングリラからの返信が入る。

『B01。 慎重に進んでください』

「B01了解」

通信に返答するとゲオルグはやや腰を落として自分のデバイスを構える。

「皆さん、注意してくださいね」

そう言うとゲオルグはデバイスを思い切り振った。
両断された扉が崩れていく間に、甲高い電子音が背後から響く。

「分隊長! 魔力反応が急激に増大しました。 これは・・・Aランク相当です!」

その声でチームに動揺が広がる。そんな中、ゲオルグは冷静だった。

(この扉は魔力を遮断する効果があったのか・・・油断したっ!)

「こちらB01。 ポイント54の扉を破壊した瞬間に巨大な魔力反応を感知。
 指示を求む」

シャングリラへ通信を送った直後、通路の奥から何かが歩くような音が響く。
返答をじりじりと待っていると、悲鳴のような声が背後から響いた。

「魔力反応がゆっくりと接近していますっ! 距離150!」

「全員ゆっくりと後退してください。 警戒をゆるめないように」

前を向いたまま全員がじりじりと後退する。
その間も、ひたひたと足音が近づいてくる。

『B01。 ポイント52まで後退してB02と合流してください』

「了解ですっ!」

ゲオルグが通信に答えた瞬間だった。
それまで一定のリズムで続いていた足音が一瞬止まる。

(・・・来るっ!)

直感でそう感じたゲオルグは声を張り上げる。

「総員、ポイント52まで急速後退!」

そう叫んだ次の瞬間、暗闇に2つの赤い光点が見えたかと思うと、
大きな獣がゲオルグめがけて飛びかかってきた。

「くそっ!」

ゲオルグはとっさに後ろに跳び下がり、飛びかかってきた獣をかわす。

『B03からシャングリラ! アンノウンと遭遇しました。現在交戦中。
 至急、応援を!』
 
魔力探知を担当していた隊員がシャングリラに応援を要請する声が
ゲオルグの耳にも届く。

『了解! A01とB02は至急ポイント52に急行し、
 B01と合流して
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