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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第2話:姉の死
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うにきょろきょろと見回していたが
ゲオルグと目が合うと、猛然と2人の方に向かって走り出し、
2人の前で立ち止まった。

「はぁ、はぁ・・・シュミット3尉、至急艦長室まで来てください!」

女性はそう言うと、ゲオルグの手をとって足早に歩き出す。

「ちょっ、まだ食べ終わってないんですよ。 離してくれませんか?」

ゲオルグは非難の声を上げるのだが、女性の方はそれを無視しずんずんと
ゲオルグを引っ張り食堂の出口に向かって歩いて行く。

「クリーグ士長! 僕の食器を片づけておいてくださいね!」

クリーグは女性に手をひかれながら通路へと消えて行ったゲオルグを見送った。

(分隊長、この状況で言うのがそのセリフですか・・・)

自分の食器とゲオルグの食器を重ねながら、クリーグはそっと溜息をついた。





一方、女性に手をひかれ通路に出たゲオルグは、女性に向かって抗議の声を上げる。

「いいかげん手を離してください! 自分で歩けます!」

ゲオルグの言葉で女性は冷静さを取り戻したのか、慌ててその手を離した。

「あっ、すいません。私ったら慌ててて」

「かまいませんよ」

ゲオルグは女性の謝罪を受け入れると、力任せに惹かれて少し痛む手首を軽く振る。

「それで何の用ですか?」

ゲオルグが軽く睨むようにして尋ねると、女性は気圧されながらも気丈に答える。

「すっ、すいません。 私はシュミット3尉を連れてこいとしか・・・」

「わかりました。 行きましょう」

ゲオルグは頷くと女性の後に続いて艦長室への通路を足早に歩く。
艦長室へ入ると椅子に座ったグライフとその傍らに立つミュンツァーの姿があった。

「シュミット3尉をお連れしました」

「ご苦労。 下がって良し」

女性が部屋を出るのと入れ替わりにゲオルグはグライフの前に進み出た。

「何か御用でしょうか?」

グライフはゲオルグの顔をじっと見ると、少し辛そうな表情を浮かべた。
同じくミュンツァーは辛そうな表情をしている。

(なんだ? なにかあったのかな・・・)

ゲオルグが2人の様子に混乱していると、グライフが重々しい口調で話し始めた。

「シュミット3尉。 首都防衛隊に所属するエリーゼ・シュミット陸曹は
 君の姉で間違いないな?」

「え・・・、はい。 間違いありません」

「そうか・・・。 実はたった今連絡が入ったところなのだが、君の姉である
 エリーゼ・シュミット陸曹が、任務中の事故で死亡したそうだ」

「へ・・・?」

(姉ちゃんが・・・しんだ・・・?)

「な・・・なんで・・・?」

「すまん。詳細については連絡を受けていない」

「そんな・・・
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