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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第2話:姉の死
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分けるわけですが、調査・探索の任務ですから
 探知に長けた者は両方に必要ですね。あとは近距離戦闘から中・長距離戦闘まで
 対応できるようにまんべんなく戦力を割り振ろうと思いますがいかがですか?」

「はい、それでいいかと」

2人はそう言うとゲオルグの端末に映し出された分隊の人員リストを見ながら
10人の魔導師を2つのグループに割り振って行く。
10分ほどでその作業は終了し、ゲオルグはひとつ息を吐いた。

「こんなものでしょうか。いかがです?」

「そうですね。こんなもんでしょう」

ルッツは納得したように何度か首を縦に振りながらそう言った。

「では作戦ですが、僕のグループは研究区画を担当しますので、曹長は
 地下をお願いします。どちらも入り組んだ構造をしていますので、
 連絡は密にとるようにしましょう。何かあればすぐに報告をお願いします。
 いいですね?」
 
「はい、了解です」

「では明後日はよろしくお願いしますね」

ゲオルグがそう言うと、ルッツは部屋を後にした。
一人になった部屋の中で、ゲオルグは両手をギュッと固く握りしめて
デスクに置かれた写真をじっと見つめていた。

(僕は二度と失敗しないって誓ったんだ。 絶対にうまくやってみせる・・・)

その写真には5カ月前に殉職した以前の分隊員たちが写っていた。





2日後・・・
起床し食堂に向かったゲオルグは、その途中でクリーグと出くわした。

「そういえば、今日の作戦って古代遺物管理部の人たちは同行しないんですか?」

食堂で2人並んで朝食を食べ始めたところでクリーグが尋ねる。

「ええ。自分たちはブリッジで映像を確認するから。だそうですよ」

そう答えるゲオルグの表情に変化はない。

「俺達が現場で危険な目に合うのを安全なところで観覧するって訳ですか?」

クリーグは怒りを込めてそう言うのだが、ゲオルグはあくまで淡々としていた。

「そういうわけでもないでしょう。 あの2人の経歴を見る限り現場経験は
 多くないようですし、魔導師としての能力もさほど高いものではありません。
 円滑な任務遂行のためにも、彼らには艦に残っていただく方がいいんですよ」

「それって要は、役立たずにしゃしゃり出られても邪魔ってことですか?」

クリーグがそう尋ねると、ゲオルグは人差し指を口に当て、苦笑しながら
小さく頷いた。

そのあとは他愛無い雑談を交わしながら朝食を食べ進めていた2人だが、
急に食堂の入り口が騒がしくなり、つられてそちらに目を向けた。
見ると、朝食を受け取ろうとする乗組員の列をかき分けるようにして
一人の女性が食堂に駆け込んできた。

その女性は食堂の中を誰かを探すよ
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