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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第2話:姉の死
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べて頂きたいのです」

クラウドが話し終えると、そのあとをミュンツァーが引き取る。

「というわけだ。質問は?」

「よろしいですか?」

そう言って手を上げたのはゲオルグだった。

「どうぞ」

「ただの調査ならば古代遺物管理部でも十分対応できるはずですよね。
 なぜ我々の協力が必要なのですか?」
 
「リスクを考えてのことです。我々古代遺物管理部に所属する魔導師は
 あまり荒事には向きません。また、この管理外世界には大型の猛獣が
 多く棲みついているということですので」

クラウドの回答に納得し、ゲオルグは黙って頷く。

「では私からも。今回の目的はあくまで内部の調査であって、
 ロストロギアの発見が目的ではないのですよね?」
 
ゲオルグに続いてヒルベルトが尋ねると、クラウドがはいと短く答えた。
他には、とミュンツァーが2人を見ると2人は首を横に振った。

「よろしい。それでは本調査はA・B両分隊で各区画を手分けして調査する。
 A分隊は居住区画と倉庫、B分隊は研究区画と地下だ。任務開始は2日後。
 調査任務とはいえ、想定していない戦闘が発生する可能性は十分にある。
 両名とも行動計画の立案にあたってはその点に十分留意してくれ。いいな?」

ミュンツァーの言葉にゲオルグ達が頷くと、会議はそこでお開きとなった。






会議室を出たゲオルグとヒルベルトは艦内の通路を並んで歩いていく。
艦が次元転送の準備に入ったのか、機関部のほうから急ぎ足で歩てくる数名の
乗組員たちとすれ違う。

「ゲオルグはどう思うね、この調査」

ヒルベルトは周囲に人がいなくなったことを確認すると、ゲオルグにそう尋ねた。

「胡散臭いですね」

ゲオルグが間をおかずにそう答えると、ヒルベルトは顎に手を当てて頷く。

「ほう。理由は?」

「紛失したロストロギアの捜索がいらないというのも妙ですし、
 そもそもなんでこんな研究施設を危険な管理外世界に置いたのか疑問です」

「同感だな。 で、ゲオルグとしてはどんな裏がこの任務にはあると思う?」

「それはなんとも。 情報が足りませんから。 ヒルベルトさんはどうです?」

「俺も同じだ。 ま、案外俺達の考えすぎって線が一番濃厚かな」

「そうですか・・・」

ヒルベルトの言葉にゲオルグは腕を組んで考え込む。
そんなゲオルグの頭をヒルベルトはポンポンと軽くたたいた。

「・・・何をするんですか」

自分を睨むように見上げるゲオルグにヒルベルトは優しく笑いかける。

「ま、そんなに難しく考えなさんな。 そう言うのは古代遺物管理部の
 エリートさん達に任せておけばいいんだよ。それよりもだ・・・」
 
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