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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第2話:姉の死
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である。
しかし、クリーグを始めとする以前からのメンバーの努力と、ゲオルグ自身の
任務に対するひたむきな姿勢によって少しずつ状況は好転した。

そして、今現在。
ゲオルグは魔導師隊の中にいるときだけではあるが、以前のような明るい笑顔を
見せるようになっている。

(でもな・・・)

と、クリーグは最近の状況について考える。
魔導師隊の中に居る間はいいのだが、ひとたびそこから離れるとやはり、
あまり状況は改善していない。
通路ですれ違うたび。食堂で食事をしているとき。
ひそひそと、あるいは堂々と陰口を言われるのは変わっていないのである。

表面上は特に気にしていないように見えるゲオルグではあるが、
クリーグが恐る恐る辛くないか尋ねるとゲオルグはさみしそうな笑みを浮かべて、
”まあ、しかたないですよ。僕が失敗したのは事実ですから”
と言うのである。

(13歳の子供にあんな顔をさせる大人って、どうなんだよ・・・)

クリーグはそう思い、少し落ち込んで肩を落として歩き始めた。





翌日・・・。
いつも通りの時間に朝食を終えたゲオルグが、待機室に向かって歩いていると
ミュンツァーに呼び止められ、緊急の会議を行うから会議室へ来いと言う。
ゲオルグは頷くと、ミュンツァーの後について会議室へと入った。

部屋の中には、新しくA分隊の分隊長として赴任してきたヒルベルト2尉と
他に知らない男たちが2人座っていた。
ゲオルグがヒルベルトの隣の席に腰を下ろすと、ミュンツァーが話を始めた。

「ヒルベルト、シュミット。 朝早くから来てもらって済まん。
 まずはこちらの方々を紹介しよう。古代遺物管理部のクラウド執務官と
 ワスプ執務官補だ」

ミュンツァーの紹介に合わせて2人はゲオルグとヒルベルトに軽く頭を下げる。

「では早速本題に入らせてもらう。
 昨日作戦部から指示が届いたんだが、我々はある管理外世界にある
 廃棄された研究施設の探索を行うことになった。今日はそのための打ち合わせだ」

ミュンツァーの言葉に続いて、クラウドが口を開いた。

「この研究施設は、あるロストロギアの解析を行っていたのですが、
 10年ほど前に事故が発生しまして、所属していた研究員は全員が行方不明。
 ロストロギアの反応も消失してしまったために廃棄されました。
 しかし、最近になってこの施設から微弱ではありますが魔力反応を検知したため
 何が起きているかを確認するために、調査を行う運びとなりました」

クラウドはそこまで話すと、会議室の中央に研究施設の図面を映し出す。

「ロストロギアの研究が行なわれていた区画はここになります。
 今回の調査ではここを含めた施設の全区画をくまなく調
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