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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第2話:姉の死
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と獣は急に苦しみだしその体はまばゆい光にに包まれ、
次の瞬間、不意に爆発した。
その爆風でゲオルグは飛ばされ、通路の壁に叩きつけられた。

「ぐはっ!」

その衝撃で意識が遠のきかけるが、なんとか意識を保ったゲオルグは、
通路の床に膝をつくと、爆風で舞いあがった砂埃が落ち着くのを待った。

(気配は・・・感じられないか)

やがて、砂埃が収まり通路の様子が見えるようになってくると、
その惨状が明らかになってくる。

獣がいたところを中心として床はクレーターのようにへこみ、
壁面はズタズタに破壊されていた。
隊員は事前に後退していたのが幸いしたのか、ほぼ無傷でゲオルグのほうに
駆け寄ってくる。

「大丈夫ですか?」

一人の隊員が声をかけ、手を伸ばしてくる。
ゲオルグはその手をつかんで立ち上がった。

「ありがとうございます。 あなたの方は怪我はないですか?」

「破片で少し・・・。ですが大丈夫です」

「そうですか・・・。ところで、クリーグ士長は・・・」

ゲオルグが尋ねると、その隊員は辛そうな表情である方向を見た。
ゲオルグがそちらに目を向けると、傷だらけになったクリーグが横たわっていた。

「クリーグ士長!」

ゲオルグは叫ぶとクリーグの方に駆け寄り、その肩を軽くたたく。

「ううっ・・・」

意識ははっきりないようだが、小さくうめき声を上げるのを見て、
ゲオルグはホッと胸をなでおろした。

「至急搬送してあげてください」

「わかりました」

クリーグが搬送されて行くのを見送りながら立ち上がった瞬間、
ゲオルグの足元がグラっとふらついた。

「おっと・・・」

倒れそうになったゲオルグの肩を支えるものがいた。
ゲオルグが目を向けると、そこにはヒルベルトが立っていた。

「大丈夫か?」

「ええ。ありがとうございます。 ちょっとした立ちくらみです」

「ならいいが・・・」

ヒルベルトは心配そうにしながらもゆっくりと手を離す。

「悪かったな、応援が遅れて」

「いえ、大丈夫です。 本当は応援に来ていただけるまで時間稼ぎを
 するつもりだったんですが・・・」

「勢いで倒しちまったってか? ったくよう」

ヒルベルトは苦笑しながらゲオルグの頭をガシガシとかき回した。

「よく頑張ったな」

そう言われて、ゲオルグは目を丸くしてヒルベルトを見つめた。
やがて照れくさそうに顔をゆがめると、小さく”ありがとう”と言った。
それから負傷者の搬送などを見守っていた2人だったが、しばらくして
ゲオルグが徐に口を開く。

「ヒルベルト2尉、ちょっと付き合ってもらえますか?」

ゲオルグの言葉にヒルベルトはわずか
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