第一章 土くれのフーケ
第九話 デルフリンガーとの出会い
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しく恐ろしげな表情で頷いた。
「そうでさ。なんでも『土くれ』のフーケとかいう、メイジの盗賊が、貴族のお宝を散々盗みまくってるって噂で。貴族の方々は恐れて、下僕にまで剣を持たせる始末で。へぇ」
そう言いながら店主は持っていた剣を差し出した。
「それで、剣なんですが。若奥様の使い魔はガタイが良いようなんでこの剣はいかがですかい?」
店主が差し出した剣は見事だった。
一.五メートルはあろうかという大剣である。柄は両手で扱えるように長く、立派な拵えだ。所々に宝石が散りばめられ、鏡のように両刃の刀身が光っている。見るからに切れそうな、頑丈な大剣だった。
「店一番の業物でさ。貴族のお供をさせるなら、このぐらいは腰から下げて欲しいものですな。まあ、やっこさんならぎりぎり腰に下げれるかな」
差し出された剣に近寄った士郎は、剣を見下ろしながら店主に問いかける。
「これが本当に店一番の業物なのか?」
店主は不思議そうな顔をして答える。
「えっ、ええ。そうだが、それが?」
ため息を吐いた士郎はルイズに顔を向ける。
「ルイズ、帰ろう。ここに居ても意味がない」
「へっ、ちょっ、ちょっとどうして? その剣すごそうじゃない。それじゃダメなの?」
「そっ、そうですぜ、この剣を鍛えたのは、かの高名なゲルマニアの錬金魔術師シュペー卿で。魔法がかかってるから鉄だって一刀両断でさ。ほら、ここにその名が刻まれてるだろ。この剣があるってのにここに居ても意味がない?」
士郎はもう一度装飾高の剣を一瞥する。
「たしかに見た目だけはな。芸術性は高いが、剣としては三流以下だ」
「さっ、三流以下?」
「ちょっとあんた! 何言ってんだ! いいかっ! この剣はだなぁ……」
士郎の言葉に店主が反発しようとした瞬間、三人とは別の声が上がった。
低い男の声だ。
「おうおう、よくわかってんじゃねぇか兄さん。確かにその剣は三流だねぇ」
「だっ、誰よ?」
「ここだ、ここ」
士郎は乱雑に剣が積んである場所に行き、その中から錆がの浮いたボロボロの剣を取り出した。
「お前が喋ったのか」
「おおっ、そうだ! おれっちだよ!」
「へえ。それってもしかしてインテリジェンスソード?」
ルイズが当惑した声をあげた。
「そうでさ、若奥様。意思を持つ魔剣、インテリジェンスソードでさ。いったい、どこの魔術師が始めたんでしょうかねえ。剣を喋らせるなんて……。とにかく、こいつはやたらと口は悪いわ、客に喧嘩は売るわで閉口してましてね。やいデル公! これ以上失礼があったら、貴族に頼んでてめえを溶かしちまうからな!」
「おもしれ! やってみろ! どうせこの世にゃもう、飽き飽きしてたところさ! 溶か
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