第一章 土くれのフーケ
第八話 士郎の使い魔としての一日
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「……焦った」
「―――何が焦ったの」
士郎がルイズの部屋に入ると、それを待っていたかのようにルイズが士郎に声をかけてきた。
「―――っ?!」
「な、何驚いてんのよ……それよりシロウ。ずいぶん遅かったわね、何してたの?」
ルイズの問いに焦る士郎に、訝しげな顔をしたルイズは、士郎から香ってくる宿敵の匂いに気付き顔を険しくする。
それに気づいた士郎は、嫌な予感に襲われ、いそいそと入ってきたばかりのドアからまた出ていこうとしたが、ルイズから外套を掴まれたことから脱出が不可能となった。
「る……ルイズ?」
「ねえ、シロウ? なんであなたからキュルケの香水の匂いがするのかな? かな?」
ルイズの明るいようで底知れない怖さを感じさせる声を聞いた士郎は、慌てて言い訳をした。
「あ〜そっ、それはだな……その。そうっ! さっきたまたま会ったんだよ」
「ふ〜ん……さっきたまたまねぇ。でも、普通会っただけで匂いが移ったりする。しないわよね。ねえどうして匂いが移っているのかな? かなぁ〜?」
可愛らしい笑顔なのだが、底知れない恐ろしさを感じさせるルイズに詰め寄られた士郎は、自身の経験を振り返り、今日は眠れないなと確信した。
「―――なんでさ」
「教えてもらいたいかな? かな?」
士郎の一日は、どうやらまだ終わらないようだ。
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