第一章 土くれのフーケ
第八話 士郎の使い魔としての一日
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士郎がトリステイン魔法学院でルイズの使い魔として生活を始めてから、一週間が経った。
その士郎の使い魔としての一日を紹介すると、こんな感じである。
まず、士郎は朝日が昇る前のまだまだ暗い時間に目を覚ます。
寝床は初日と違い、ルイズとの協議の結果、部屋の入り口の近くにシエスタから持ってきてもらった藁の上にシーツを敷いただけの寝床に寝ることとなった。毎朝日明のいい場所で干す他にも、士郎が様々な手入れをしているため、寝心地はそこらのベッドに負けはしない。
初めはベッドで寝ずに自ら進んで干し藁の上で寝る士郎に何度もベッドを進めていたルイズだったが、最近は諦めたのか呆れたのかそういった事を口にすることはなくなった。
さて、日が昇る前に干し藁のベッドから起き上がった士郎は、ルイズを起こさないよう藁とシーツを日当たりのいい場所へと移動させた後、学院の外へと向かう。学院の敷地外へと出ると、人がいないことを確認した後、士郎は投影した剣を振るう他に様々な鍛錬に努める。
日が昇り辺りが明るくなると、士郎は鍛錬を止め、ルイズを起こすために学院の寮へと向かう。その際、ルイズが使う顔と歯を磨くための水を寮の下にある水汲み場でバケツに汲んでいく。ルイズを起こした後は、汲んできた水で顔と歯を磨いたルイズの顔を拭いてやり、寝る前にアイロンを掛ける等用意をしていた制服に着替えさせる。勿論ルイズに渡すだけで、士郎が手ずから着替えさせるわけではない。
ルイズが着替える時はもちろん士郎は部屋を出る。部屋を出た士郎は、そのまま“アルヴィーズの食堂”に赴き、料理長であるマルトーに挨拶をした後、ルイズとタバサ、キュルケのために朝食を調理を開始する。
さて、なぜ士郎がルイズだけでなくタバサ、キュルケの朝食を作るのかというと―――それには勿論理由がある。
始まりは、まるでバイキングのような朝食の様子を見た士郎が、せめて朝食は健康的なものを食べさせようと考え、自分が朝食を作っても良いかとルイズに提案したところ、『好きにしたら』との了解を得た。直ぐさま料理長に事情を説明し、厨房の使用許可を料理長に求めたところ―――『まずは一品作ってみせろ』との言を受けたことから、料理長であるマルトーの監督の元料理を作り、マルトー、ルイズついでにシエスタに料理を出した。結果は合格。マルトーの許可が下りたことから、それからと言うものの、士郎は毎朝ルイズに朝食を作るようになったのである。
それでは何故、そこにキュルケとタバサが加わるのかと言うと。
まずはキュルケであるが、毎朝一人士郎が作った朝食を食べるルイズの姿を見たキュルケが、士郎の手作りの料理を食べたいとルイズに何度も詰め寄ったことから、根負けしたルイズが許可を出したのだ。
そしてタバサではあるが、
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