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ソードアート・オンライン〜黒の妖精〜
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「っ!」
その光景は酷い物だった。
ボスに次々と攻撃を与えられ、HPを減少させていく軍の人たち。
「ダメよ…もうダメ…!」
アスナさんが物凄い早さでボスモンスターの元へ駆けていき、攻撃を喰らわせる。その一撃で、ターゲットは完全にアスナさんに移り変わり、アスナさんがほぼすべての攻撃を受ける。
「どうなでもなりやがれ!!」
クラインさん達風林火山もアスナさんに続きボスの元へ走っていった。
「ぐるぉぉぉお!!!」
ボスが大きな叫びをあげて、アスナさんに攻撃を喰らわせようとする。
でもそれは、兄の剣によって防がれた。
「っキリア!使え!俺も使うから!!」
兄が大きな声で私に言ってきた。
ーー結局バレることになるらしいーー。
「…折角…隠し通せたと思ったのになぁ…でも…試し切りには丁度良さそうだね?  さっさと…燃え尽きろよ」
ニィッと口角を釣り上げ、私は背中の両手剣ーーオーダーメイドでかなり軽いーーを抜く。
「さ…てと…」
私の ユニークスキル を発動させる。
「逝けぇぇぇ!!」
足に力を込め、高く跳躍して。空中でソードスキルを発動し、大きく振りかぶった。

私のユニークスキルは、「高速斬撃」。
簡単に説明すると、

斬撃1回につき、斬撃10回分のダメージを与えられる、というもの。
本当はもっと複雑らしいんだけど、私はそこまで解らない。兄なら別かもだけど。

ソードスキルは2連撃。
兄は16連撃だから、私はその4回多い20連撃に等しいダメージを与えられることになる。
正直言ってこれは兄よりチートだと思う。
「はああああ!!!っ」
一撃。二撃。
この二回で、ボスのHPバーが一本分減った。
続いて兄が二刀流を装備し、攻撃を始める。
「らああああああ!!!」
1,2,3,4・・・・・。
早すぎて目に見えないけど、ダメージ値は私より下だな。
まああれはスターバースト・ストリーム・・・上位ソードスキルで最上位ソードスキルじゃないもんね。
14,15,・・・・16!
丁度、HPバーが二本目をきった。
兄はしばらくの硬直。
私は三連撃ソードスキルを発動し、同時に高速斬撃も発動。
「消えろぉぉおお!!!!」
私はボスモンスターにソードスキルを打ち込む。
あと五割。  三割・・・・数ドット・・・・・!!!
自分のHPが減っていることも気付かず、私は最後の一撃を放つ。
ボスモンスターの巨体が青い光に包まれた。
瞬間で、無数のポリゴンとなって空中に溶け込む。
兄と私は同時に座り込んだ。
「っ・・・・はぁ・・・・った・・・・勝った・・・・」
周りの人たちが目を見開いている。
無理も無いだろう。
こんな数分のうちに二つのユニークスキル見せ付けられたら。
「おわ・・・・った・・・・」
私は
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