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少年は魔人になるようです
第19話 二人の初恋が激しくなるようです
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俺とアリカが基地に帰って来てから10分程経ったが、アリカはまだ浅く呼吸し、

震えながら俺に掴まっていた。

帰って来た時、お姫様抱っこしたままだったから、あいつ等が冷かそうと来たのだが、

アリカの様子に気付き、そのまま静かに去って行った。・・・余談だな。


「…すまない、無様な所を見せた……。」


アリカが復活した風に俺の胸に手を付き離れるが―――


「もうよい、大丈夫じゃ……あっ?!」


まだフラフラしていたので案の定倒れそうになったが、予想していたので難無くキャッチした。


「全く、何が大丈夫なんだよ。ほら、寝てろ。もしくは、また抱き締めてやろうか?」

「………すまぬ……。」


と言ってアリカは再び、俺に体を預けて来る。

・・・・・おかしいな、冗談の方を取られたぞ?


「…調子狂うな……。一体どうしたんだよ……?」


アリカの頭と背中をポンポンしながら聞く。


「…そうじゃな…主になら、話しても良いな……。

歴史を悉く覆す存在じゃ。今更、この程度の話しをしても、何ら問題無いじゃろう……。」


アリカはそう言うと、話しだした。

なんか、失礼な事言われた気がするが・・・・・・。


「あれは……、私が6歳の頃じゃった。……とある王子の誕生日の宴であった。

そこには、前国王を始めとした我が国の要人が集まっておって、私の両親もおったのだ……。

私と義姉君は、親に止められ行けなかったのじゃが、

忍びで行ったのじゃ……行って、しまったのじゃ。」


――あとは、簡単な話だ。現国王派の連中がクーデターを起こして、虐殺。

隠れていた二人は居ない事になっているから助かった、と。


「そして奴等は、証拠隠滅に、屋敷を……爆破したのじゃ。

…と言っても、火を放つ為の爆破だったらしく、完全には倒壊せんかったのでな……。

……私と義姉君は、火の放たれた屋敷で、必死に親を探した。」


――段々と、アリカの顔が青くなり、また震えて来た。


「が、そこは……まさに地獄だったのじゃ……。

火に喘ぎながらも、足を斬られ動けん者…、断続的に続く爆発…。

そ、そして…、漸く見つけた、と、父様と母様は……、」

「……もういい。もういいよ、アリカ………。悪かった…、辛い事、思い出させたな……。」


アリカを強く抱きしめ、再び頭を撫でてやる。

――と、今度はアリカの顔が真っ赤になって来た。


「………シュウマ、主は……

主は、王女と云うものを、どう、思う………?」



side out




Side アリカ



「……
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