第19話 二人の初恋が激しくなるようです
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
俺とアリカが基地に帰って来てから10分程経ったが、アリカはまだ浅く呼吸し、
震えながら俺に掴まっていた。
帰って来た時、お姫様抱っこしたままだったから、あいつ等が冷かそうと来たのだが、
アリカの様子に気付き、そのまま静かに去って行った。・・・余談だな。
「…すまない、無様な所を見せた……。」
アリカが復活した風に俺の胸に手を付き離れるが―――
「もうよい、大丈夫じゃ……あっ?!」
まだフラフラしていたので案の定倒れそうになったが、予想していたので難無くキャッチした。
「全く、何が大丈夫なんだよ。ほら、寝てろ。もしくは、また抱き締めてやろうか?」
「………すまぬ……。」
と言ってアリカは再び、俺に体を預けて来る。
・・・・・おかしいな、冗談の方を取られたぞ?
「…調子狂うな……。一体どうしたんだよ……?」
アリカの頭と背中をポンポンしながら聞く。
「…そうじゃな…主になら、話しても良いな……。
歴史を悉く覆す存在じゃ。今更、この程度の話しをしても、何ら問題無いじゃろう……。」
アリカはそう言うと、話しだした。
なんか、失礼な事言われた気がするが・・・・・・。
「あれは……、私が6歳の頃じゃった。……とある王子の誕生日の宴であった。
そこには、前国王を始めとした我が国の要人が集まっておって、私の両親もおったのだ……。
私と義姉君は、親に止められ行けなかったのじゃが、
忍びで行ったのじゃ……行って、しまったのじゃ。」
――あとは、簡単な話だ。現国王派の連中がクーデターを起こして、虐殺。
隠れていた二人は居ない事になっているから助かった、と。
「そして奴等は、証拠隠滅に、屋敷を……爆破したのじゃ。
…と言っても、火を放つ為の爆破だったらしく、完全には倒壊せんかったのでな……。
……私と義姉君は、火の放たれた屋敷で、必死に親を探した。」
――段々と、アリカの顔が青くなり、また震えて来た。
「が、そこは……まさに地獄だったのじゃ……。
火に喘ぎながらも、足を斬られ動けん者…、断続的に続く爆発…。
そ、そして…、漸く見つけた、と、父様と母様は……、」
「……もういい。もういいよ、アリカ………。悪かった…、辛い事、思い出させたな……。」
アリカを強く抱きしめ、再び頭を撫でてやる。
――と、今度はアリカの顔が真っ赤になって来た。
「………シュウマ、主は……
主は、王女と云うものを、どう、思う………?」
side out
Side アリカ
「……
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ