第18話 姫様の想いは重いようです
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Side アリカ
私は今、部下のガトウに連れられメガロメセンブリアの首都に来ている。
かの『紅き翼』が私達の協力者と言う事で―――
「ねぇアリカ。私は『紅き翼』似合うのが楽しみでいけないわ。」
この方は、私の義姉、第一王女エルザ。
政治手腕は、王女中では三番目。それが何故第一王女、つまり王位継承権第一位かと言うと、
継承者中一番王家の魔力が強い為じゃ。
「義姉君。その様な対応はあやつらの前では控えてください。」
私と同じ程に、強く国民を思っている一人。
「分かっているわ。私は王女としての責務を果たしに来たのだもの。
ね、アリカは『紅き翼』で誰が一番気になる?私はやっぱりナギなんだけれど?」
義姉君から唐突に質問される。
気になる、と言うのがどういう意味か気になるが、強いて言うならば――――
「そうですね。『アーカード』、シュウマが気になります。」
「うーん、やっぱりそうなのね。何であの賞金首が好きなの?」
「す、好きとかそういう感情ではなく!!ただ、何となく気になるのです。」
初めて噂を聞いた時は、ただの犯罪者としか思わんかった。
しかし、乳母に『アーカードと大魔導士』を読んで貰ってからは、アーカード・・・
シュウマについて調べて行った。
そして出て来た数百年前の本は、本人達―――シュウマと、我が国の伝説『大魔導士』たち直筆の本。
それは日記で、伝承とは全く違う事が書いていたのじゃ。
懸賞金の元になった街中での大量虐殺は、実は誰も死んでおらず、
面白おかしく報道されただけじゃと言う。
伝承では『辛勝』となっていた5000人以上の軍を相手に、自身は掠り傷一つ負わず、
軍に一人の死者・重傷者すら出さんで勝利した、と書いていた。
それを見た大魔導士の方々はシュウマを勘違いしていた事を悟り、直ぐに友になったと言う。
偶に王都に来ては三人と遊び、二人の恋仲まで助け結婚式にまで参加し、
大魔導士もシュウマの結婚式に参加したそうじゃ。
そして、家族以外は誰も見られんかった彼らの死目にまで立ち会っている。
我が国に伝わる、『最強の正義』と『最凶の悪者』。
男性にも拘らず、姫と呼ばれるその美貌。伝承の嘘に関しては、不殺の虐殺者。
調べれば調べる程人が分からなくなり、私は何時の間にかシュウマと言う人物に没頭しとった。
義姉君は恋じゃないか、と言うていたが、違う・・と思う。
恋などしたことも無いし、されたことも無いのじゃ。
――しかし今日、ここに、かのシュウマが居る。会って話せば人と成りが分かるじゃろうから、
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