第4話「仕事―裏」
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た顔を赤くさせて慌てて「ありがとうございます!」と礼を言いつつもしっかりとその服を受け取り、羽織る。少しぶかぶかで、それがまた元々から美少女の彼女を、より可愛らしく引き立てている。
「……っく、しまった。そこまではさすがに考えていなかった」
少々親父臭い趣向を発揮したタケルが一人で焦っていると、「タケル先生?」と首を傾げて見せたセツナと目があった。
その仕草は彼にとって、どストライクだったらしい。
「……う……ぐう」
と、苦しそうに顔を伏せる。
「せ、先生?」
純粋に心配しているだけなのだろうが、ツツと近寄ったセツナ。それがまたタケルを追い込んだ。
「……あ」
「あ?」
「アウトォォォォォォ!!」
Zガンはしっかりと回収し、屋根に飛び乗り、そのまま物凄い勢いで遠のいていった。
「ちょ、先生!?」
だが、セツナの声が彼に届くことはなかった。なぜなら
「おちけつ! ……違う! 餅をつ……じゃない! おおお落ち着けェェェェェェ!」
と叫びながら去っていったから。
「……?」
とりあえず、セツナは置いてけぼりを食らったのだった。
翌日、タケルの上着を返そうとしたところ、会った瞬間に土下座をかまされ、それがまた教室内で小さな波紋をおこしたことは、彼女にとって災難以外のなにものでもなかったであろうことは想像に難くない。
こんな感じで、気付けば彼女の質問を適当に誤魔化すことに成功したのは、『不幸中の幸い』だった。
とでも言っておこう。
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