第4話「仕事―裏」
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ガンツからの情報はなかったのでタケル命名―の3体目の首をガンツソードで切り飛ばし、再びレーダーの確認に移った。
「数も戦闘力も下の上クラスか」
点数としては4点前後だろうか。
「あとは……」
少し顔を顰める。最後の一体はいつの間にか結構な距離を移動していたらしく、学園の近くにまで迫っている。しかもその位置から動いていない。
ということは獲物を見つけたか、はたまた既に捕食中か。
「急ぐか」
全力で駆け出した。所詮は同じ街だ。ガンツスーツなら一分とかからず到達できる位置にあった。
屋根に飛び移り、乗り越え、また飛び移り。そしてカメ星人を見つけた。どうやら獲物をまだ捕食できていないようだった。
小さくホッとしたのも束の間。その襲われている少女に見覚えがあった。
「桜咲……さん」
一瞬だけ葛藤が生まれた。この星人たちのことを話すわけにはいかない。なぜなら。もしかしたらまだ頭に爆弾が残っているかもしれないのだから。
先程試しにエリア外に移動しようとしたところ頭の音はならなかった。もしかして、と思いそのまま外に出ようとしたのだが、見えない壁でもあるのか、どうしてもその先に進めなかったのだ。爆弾はないと確定したいが、勝手にそう決め付けたせいで頭が吹き飛んでしまっては意味がない。
病院にいって確認したいとも思ったが、もしそれで爆弾が残っていて、そこからばれてしまっては頭を吹き飛ばされてしまうので、それもムリだ。
現状の彼には頭を確認する手段がないのだ。
ともかく、そういうわけでこういった狩りをしていることがばれるわけにはいかない。
躊躇っている間にも、気付けばセツナの脇からは血が滲んでいる。
「……っ!」
適当に誤魔化す!
そう決めた彼はZガンを置き、ソードを手に取った。Zガンで一気にケリをつけてしまいたいが、彼女が範囲内にいるので、そういうわけにもいかない。
「ふっ」
小さく息を吐き、空中で力を溜めて、標的へ。
いくつもの死で染められたその黒塗りの刃を振り下ろした。
「あ」
小さな声が聞こえた気がした。
直前に気付いたカメがタケルの存在に気付き、首を甲羅に引っ込める。だが、それは無駄なこと。タケルにとって、狙いは首ではない。
たとえ、甲羅が鋼鉄のように硬くても。実際に鋼鉄の硬さを持っていたとしても。
ガンツソードはそれ以上の切れ味を誇る。
ガンツスーツはそれ以上の腕力を発揮する。
よって、結果は当然に。
それを引き起こした。
「な」
セツナが信じられないモノを見たような顔をしている。
彼女の目の前には甲羅ごと両断されたカメ星人の姿
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