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ソードアート・オンライン〜黒の妖精〜
第一部 SAO編
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戦闘を終え、疲れ果てて重たい体に鞭を打って、私、キリアは彼もいるはずの何時もの店へ向かう。
「お兄ちゃん〜いる〜?」
「キリア?今日は早いな」
「そっかな、お兄ちゃんも早いと思うけど」
「そうか?」
私と話をしているのは、私の双子の兄、キリト。ここでは「黒の剣士」って呼ばれたりしてて、ちょっと私の自慢だったり・・・・する。
「それよりお兄ちゃん、エギルさんと何話してたの?」
私の台詞に、兄が意外そうに、そして嬉しそうに笑う。
何でって?
それは私が極度の人見知りだから。
つい最近まで、エギルさんと話をするどころか、目を合わせることも出来ずに兄の背に隠れていた。
やっと今日、自分から言い出せたんだけど、兄はそれが嬉しいみたい。
兄が笑うの、私も好きー
・・・・・ブラコンじゃないよ?

「ああ、これ。キリア、ちょっとこれ見てみろよ」
「何々?」
兄は、ウィンドウを可視モードにして私に見せてくる。
「な・・・・こ、これ、「ラグーラビットの肉」!?お兄ちゃんこれ、どうしたの?」
「さっきフィールドで」
「なにその運のよさ・・・」
なるほど。兄はそれを食べずにエギルさんに高く売って金にしようとしてるんだ。
「あーあー、私も最近装備がぼろぼろになってきたなーぁどうしよっかなー」
ちらりと横目で兄の顔を見る。
「・・・解ったよ。金は半分ずつな」
「やった!お兄ちゃん大好き〜」
エギルさんが兄のことを「ドンマイ」なんて目で見てたなんて・・・私は知らない。
「でもよ、折角のS級食材、食わないなんて勿体ねえだろ」
「そうだけど・・・これを料理できる奴なんてそうそう・・・」
イナイの?私、お金はいいから食べたいな・・・。
そんな時。
「キリト君」
後ろから、聞き覚えの全く無い女の人の声が聞こえた。
兄はそれを聞くなり、「シェフ捕獲」なんて言って手を掴んでいる。
「何よ・・・シェフ捕獲って」
「これ」
「?・・・・な・・・こ、これって、「ラグーラビットの肉」じゃない!」
「取引だ。コイツを料理してくれたら一口食わせてやる」
「は・ん・ぶ・ん!!」
兄は女の人に顔を近づけられて、真っ赤になって・・・・
―――この人とは仲良くなれるか怪しいな―――。
そう思っていると、やっぱり予想したとおりの出来事が私を襲ってきた。
「・・・・・・・っ・・・」
私の、人見知りの部分が顔を見せて、心臓が早鐘のようにバクバク打っている・・・・気がした。
息が苦しくなって、足が震えてきた。
「お、おい、キリア!大丈夫か?」
兄がいち早く私の状態が悪いことに気がついて、声をかけてくれる。
「大丈夫・・・・・」
私はいい、深く深呼吸(この世界で呼吸はいらないのだが)をした。
「・・・落ち着いたか?」
「うん、何と
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