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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
幻想御手
Trick16_サメの腹の中さ
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で試したいから
 何人か集めとけって言われた。よろこべ、お前もその一人だ」

「あ、いや、助けてください!」

「大人しくしとけ。ボスが来たら始めるから寿命を延ばしたかったら変なことするな」

(ということは、ボスはいないんだな。もう少し情報を聞いとくか)

「幻想御手は嘘だったんだな!」

信乃は泣き声で言った。もちろん嘘泣き。

「嘘じゃねえよ。俺たちはそれでパワーアップしてるしな。
 安心しろ! この“仕事”が無事に終わったボスの持っている幻想御手をあげる
 かもしれないぜ! ひゃはははは!!」

「そ、そんな」

信乃は絶望したように膝をつく。

そんな信乃を男は服の上から適当に触り始めた。
変なものを持ってないかを一応調べているのだろう。

男が背中の方も触ったが“なにもなかった”。

そう、信乃はいつものA・Tのケースを持っていなかった。

もちろん、今履いているのはただの靴。


その後にスキルアウトに引きずられるようにして他の5人の中に入れられた。

(よし、この位置なら俺に向かってくる奴を倒せば人質には手を出せない。
 それに奴らのボスが幻想御手を持っているなら、ここに来るまで待った方がいいな)

信乃は人質ごっこを続けることに決めて体を震えて待つことにした。










「少々やりすぎてしまった感はありますが、元々取り壊す予定だったみたいですし・・」

白井の目の前にはガレキになったビルがあった。

信乃とは違い、幻想御手を持っているスキルアウトを探し回り、交渉(ぼうりょく)
で情報を手に入れようと白井は走りまわっていた。


そして数か所を回った先に、スキルアウトに捕まっている佐天を見つけた。

そのスキルアウトと戦闘となって倒す手段としてビルを破壊していまいにいたる。

「さ! 幻想御手をいただきますの!」

白井の左手には襟首を掴んで引きずる状態の男がいて、襟首を強く引っ張った。


白井と先頭になった男の能力は偏光能力(トリックアート)
周囲の光の屈折を変化させて自分の位置を錯覚させる能力である。

白井のテレポートは攻撃範囲が狭く、鉄矢の攻撃も外れて手の打ちようがなかった。

しかし、ビルを破壊という荒業で建物内はすべて攻撃範囲にしてこの男に勝利した。

そして現在にいたる。


白井は男の襟首を引いた。

「はぐあ!」

変な声を出したが、すぐに白井のお願いを聞いてポケットからあるものを出した。

一応、崩壊前に男をテレポートで外に出したので体に怪我はないが、崩壊の恐怖で
精神外傷(トラウマ)のガクブル状態で、白井に抵抗する気力はない。

偏光能力の男が
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