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SAO─戦士達の物語
百二十二話 The Red-Nosed Reindeer─赤鼻のトナカイ─
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。私は子供ですよーだ」
腹いせなのかチキンをガツガツ食べながら、直葉は言った。そんな娘の姿を微笑ましく思いつつ、翠は微笑んで言う。

「そう言うけど、スグには居ないの?良い人」
「えー?」
言いながら、直葉は目の前のパエリアを平らげつつ、自分の回りに居る男どもを確認しだす。

『お兄ちゃん達……は駄目だし、他の何時もパーティに居る人は歳が慣れてるし、クラスの男どもはヘタレばっかりだし……』
そうは言うが、彼女は全国レベルの剣道少女でありALOでも屈指のスピードスターである。その彼女から見てヘタレ出ないとなると、大分ハードルが高いだろうと思われた。しかし男性に関してはまだ妥協すると言う事等一切念頭に無いピュアな十代女子である彼女は、やはりいないな。と溜息をつきかけて……

『そーいえば……』
中学の終わり頃一度だけ自分に告白をしてきた少年(バカ)が居たのを思い出す。中学を卒業してからと言う物、まともに連絡をよこしても居ないあの少年。今頃何処で何をしているのだろうか?

「……居ない」
「あら?今の間は何?もしかして……」
「いないの!何でも無いの!」
「えー?ちょっと隠さなくても良いじゃない?」
「ちーがーうー!」
言いながらバクバクと料理を食べつつ、直葉は思った。

『彼奴次あったらぶん殴る!!』
理不尽極まりない。

────

「っと。おぉ、やりやがるぜ此奴っ!」
「ちょっと遼太郎!出来たよ!」
「おぉう!?おう!ちょい待ってくれや!」
言いながら、呼ばれた壷井 遼太郎……クラインは、やって居た固定機のゲームを一旦中断して今に走る。

今日はクリスマスなので、クラインは山梨の実家に一旦帰って来ていた。家には今は母親と父親が住んでいて、普通に元気だ。

「どれ、そんじゃ皆さんご一緒に!」
「「「頂きます!!」」」
言いながら、ささやかな家族のクリスマスディナーが始まる。

「うんめぇ!やっぱかーちゃんの料理が一番だぜ!」
「がはは!おめぇも分かってきたじゃねーか!遼太郎!」
出された料理を次々にかっ込むクラインに、父親が豪快に笑ってビールを飲む。
苦笑しながら、母親が言った。

「あのねぇ……褒め言葉は受け取っとくとして、アンタそろそろ良い子の一人でも居ないのかい?いい加減決めないと……」
「う、うう、うるせぇ!出会いがねーンだよ出会いが!」
「そんなもん作るもんだろう……?」
「ぐふっ……」
クリティカルヒットな言葉によって、クラインの精神的なHPゲージがガンガン削られる中、父親の豪快な声が彼を救った。

「まーまー良いじゃねぇかかーちゃん。その内此奴にも良い相手が出来るって。なぁ?」
「お、おう!あったりめぇよ!」
「だと良いけどねぇ……」
疑うような視
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