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せろ
「ぅう、うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
自分がこの少年に勝てないのは本能が理解している。しかし、ここで何もしないわけにはいかない。ここで逃げれば堕天使の名に深い傷が付いてしまう。それだけは避けなくてならない。
ドーナシークはありったけの魔力を込め、強力な光の槍を作りだした。その威力は先程のとは比べものにならない程のものだ。
「くらえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
そしてその槍を少年に向けて全力で投げつける。倒せるだなんて思ってはいない。だが、掠り傷くらいはつけられる筈だ。いや、筈だった。
光の槍は、少年の前に現れた十字が描かれた血のように赤い魔法陣の前に粉々に砕け散った。この瞬間、ドーナシークの敗北が確定した。
「蹴り砕く」
一瞬で堕天使の前に現れた隼人は、堕天使の腹部に鋭い蹴りを放つ。その蹴りはいともたやすく堕天使の腹部を貫通した。
「がぁっ!?」
あまりの威力に堕天使の体はくの字に曲がり、そのまま吹き飛ぶ。
「ぐぅ!? う、うぅう……」
噴水に激突することでようやく堕天使は地面には落ちた。腹部からは大量の血が出ており、その顔にも死相が浮かんでいた。
その顔を見た瞬間、隼人のにやにやした笑みは消え、無表情になる。
「なんだ、もう壊れたのかよあんた。つまらねぇな」
隼人はまるでゴミ屑を見るかのような目で堕天使を見下し、深く溜め息を吐いた。
「もうあんたに用はない。そこに隠れている奴。こいつの処理は任せた」
隼人はそう言い捨てると、一瞬でこの場から消えた。
その場に残された兵藤はポツリとこう呟いた。
「あれ? もしかして俺空気?」
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