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ハイスクールD×D 全てを喰らう者
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でもない地方の市街で貴様のような存在に会うのだものな」

 ………………?
 お前は何を言っているんだ?
 いやいや、これマジでヤベェ奴だよ!!
 とりあえず俺は瞬時に後ろを振り向き来た道を全速力で戻った。何故かは知らないが夜中の俺は色々とパワーアップしているので足が超速い。
 十五分程走ったところで開けた場所に出た。公園だ。

「……あれ? ここって」

 知っている。この公園を俺は知っている。そうだ! ここは夢の……夕麻ちゃんとのデートで最後に来た場所だ! でも何でだ? まさか無意識?

「逃がすと思うか? 下級な存在はこれだから困る」

 ぞくっ。背筋に冷たいものが走る。ゆっくりと振り返ると、そこには黒い翼を生やしたスーツの男……さっきの変質者がいた。というかコスプレ……なわけないよな。ファンタジーは夢の中だけで十分だってのに。

「ふむ。主の気配も仲間の気配もなし。消える素振りも見せない。魔法陣も展開しない。状況分析からすると……お前は『はぐれ』か。ならば、殺しても問題あるまい」

 物騒なことを口走る男は、手をかざしてくる。手を向けている先はどう見ても俺だ! その男の手に光らしきものが集まっていき、槍のような物に形成されていった。 やっぱり槍かよ! 俺、夢でもあの槍に腹を貫かれて大変な目に遭ったんですけど!
 ――殺される。目を強く閉じ、下を俯く。せめて楽に殺してくれ!! ………………………………? おかしい。全然痛くないぞ?
 目をゆっくりと開けると、腹には何も刺さっていなかった。あれ? もしかしていなくなった?
 思い切って顔を上げると、そこにはとんでもない光景が広がっていた。

「お、お前は……五十嵐?」

 そこには俺のクラスメートの五十嵐隼人がいた。……しかも右手には本来なら俺に刺さる筈の光の槍が収まっていた。……え? マジでこれどういう状況?

「随分と面白そうなことをしてるじゃねぇか。俺も混ぜろよ」

 そう言って五十嵐は光の槍を右手で砕くのだった。



=====



 堕天使、ドーナシークは突如として現れた五十嵐という少年を見た瞬間、戦慄が走った。
 どれだけ気配を探ろうとこの少年はただの人間であり、神器も宿していない。だというのに、ドーナシークはこの少年に勝てるイメージがまったく湧かなかった。それどころか蛇に睨まれた蛙のように身動きが取れなかった。

(私はこんな話聞いてないぞ!? 何故こんな市街にこれ程の化け物が存在するのだ!?)

 少年は一歩、また一歩と少しづつ自分に近づいてくる。にやにやと笑いながらまた一歩自分に近づいてくる。

「安心しろぉ、最大限手は抜いてやる。だからよぉ――」



――――――一秒でも長く俺を楽しま
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