2
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
でもない地方の市街で貴様のような存在に会うのだものな」
………………?
お前は何を言っているんだ?
いやいや、これマジでヤベェ奴だよ!!
とりあえず俺は瞬時に後ろを振り向き来た道を全速力で戻った。何故かは知らないが夜中の俺は色々とパワーアップしているので足が超速い。
十五分程走ったところで開けた場所に出た。公園だ。
「……あれ? ここって」
知っている。この公園を俺は知っている。そうだ! ここは夢の……夕麻ちゃんとのデートで最後に来た場所だ! でも何でだ? まさか無意識?
「逃がすと思うか? 下級な存在はこれだから困る」
ぞくっ。背筋に冷たいものが走る。ゆっくりと振り返ると、そこには黒い翼を生やしたスーツの男……さっきの変質者がいた。というかコスプレ……なわけないよな。ファンタジーは夢の中だけで十分だってのに。
「ふむ。主の気配も仲間の気配もなし。消える素振りも見せない。魔法陣も展開しない。状況分析からすると……お前は『はぐれ』か。ならば、殺しても問題あるまい」
物騒なことを口走る男は、手をかざしてくる。手を向けている先はどう見ても俺だ! その男の手に光らしきものが集まっていき、槍のような物に形成されていった。 やっぱり槍かよ! 俺、夢でもあの槍に腹を貫かれて大変な目に遭ったんですけど!
――殺される。目を強く閉じ、下を俯く。せめて楽に殺してくれ!! ………………………………? おかしい。全然痛くないぞ?
目をゆっくりと開けると、腹には何も刺さっていなかった。あれ? もしかしていなくなった?
思い切って顔を上げると、そこにはとんでもない光景が広がっていた。
「お、お前は……五十嵐?」
そこには俺のクラスメートの五十嵐隼人がいた。……しかも右手には本来なら俺に刺さる筈の光の槍が収まっていた。……え? マジでこれどういう状況?
「随分と面白そうなことをしてるじゃねぇか。俺も混ぜろよ」
そう言って五十嵐は光の槍を右手で砕くのだった。
=====
堕天使、ドーナシークは突如として現れた五十嵐という少年を見た瞬間、戦慄が走った。
どれだけ気配を探ろうとこの少年はただの人間であり、神器も宿していない。だというのに、ドーナシークはこの少年に勝てるイメージがまったく湧かなかった。それどころか蛇に睨まれた蛙のように身動きが取れなかった。
(私はこんな話聞いてないぞ!? 何故こんな市街にこれ程の化け物が存在するのだ!?)
少年は一歩、また一歩と少しづつ自分に近づいてくる。にやにやと笑いながらまた一歩自分に近づいてくる。
「安心しろぉ、最大限手は抜いてやる。だからよぉ――」
――――――一秒でも長く俺を楽しま
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ