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環の理
鋼の錬金術師
密談
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てよ」

 「大総統がどちら側かは知らんがな」



 八割方敵だと思うんだがな。その方があの錬成陣を作りやすいだろうし。どちらにしろ上層部や大総統より上の者がいるかもね。



 「マスタングの動きはこれからより積極的、且つ頻繁になってくる。その時お前が奴らの目が届く範囲にいると必ず枷になるのよ」

 「……確かに俺じゃ足手まといだな。だが、軍を辞めても監視からは逃れられないと思うが?」

 「そこでコイツの出番だ」

 「やっと話に入れたアルよ」

 「……誰だこいつ?」

 「チェン・アン軍曹だ」

 「!」



 ヒューズも気付いただろう。コイツは隣のシン国出身だと。なら何処に逃げるかも分かっている筈よね。



 「国外に逃げろと?」

 「アリシアちゃんがいるから海路を伝う様になるがな」

 「子供に砂漠越えは無理アルよ。数日で死ぬアルよ」

 「経験者もそう言ってるみたいだし……どうする?」

 「……家族と話し合ってみる」

 「決心がついたら何時でも特命部に来たまえ。出来るだけ早くにな」



 そう言って私は軍曹を連れて出て行った。





 〜〜〜〜〜〜





 「ヒューズ中佐は提案に乗ると思うアルか?」

 「十中八九乗ると思うね。だって実際に死にかけてるんだもの」



 やっぱり実体験が自分にあるのとないのとでは大きく違う。映画で花子さん見るより、現実で不良見た方が怖いだろ?



 「ただ……一つ問題がある」

 「問題?」

 「人質、というか扱き使う為の名目の消失によって相手の手が読めなくなるんだよ。元々読む気もあんまりなかったけどね」

 「さいアルか……」



 人の気持ちさえ分からないのに、人外の気持ちが読めるものか。絶対どこかで『物差し』が入る。自分勝手な規則が思考を鈍らせる。



 「さっさと帰るわよ」

 「……私をお持ち帰りアルか?」

 「ほほう?余程死にたいと思える。書類地獄に招待してやろうか?」

 「冗談アルよ……(ガクガクブルブル)」



 ……全く、私をからかおうなんて五年は早いよ。

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