第9話 ルフェールの支配者
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ティオジアの連中を支援しつつ地道に戦力を増強するしか無いのでは? 直接的な行動を起こそうにも敵は辺境のそのまた向こうだ」
「ましてや、銀河帝国の位置や規模すら未だ分かってませんからねぇ。こちらの情報はロアキア経由で得ているでしょうし、情報戦で後手に回っていることは否めませんな」
「我々に必要なのは……時間か」
「時間が利するのは向こうもですが……それでも我々には時間が必要ではある」
「退役寸前の艦を先日ロアキアから独立した4星系が建国した国家――エルダテミア共和国に供与しては? どのみち取り壊す予定のものです。それで銀河帝国の戦力を少しでも削ってくれるなら恩の字じゃないですか」
「ふむ……違いない。確かに銀河帝国があの国の独立をすんなり認めるとは思いませんな」
ロアキアの領土を血を流して奪い取ったのは銀河帝国(と辺境軍)である。
その彼らからしてみれば、エルダテミア共和国の成立(それも無血)など認められるわけはない。
「いずれにせよ、打てる手はすべて打っておくべきだろう。後で後悔したくなければな……では、次の案件に移るとしようか」
そう言って、議題は別の案件に移り出す。
ルフェールの実質的なトップとして君臨する彼らには議論すべき案件が多いのであった。
* * *
――ベトラント星域――
「巡航艦エイファス撃沈」
「戦艦フレッツン大破、駆逐艦ベルラーラ航行不能」
ゴズハット艦隊旗艦ヴィネスフーゼの艦橋に自軍の被害報告が送られてくる。
攻撃を仕掛けてきているのは銀河帝国のケンプ艦隊15000隻。
元戦闘艇のエースパイロットとして名声を馳せたケンプ上級大将の戦闘艇を巧みに使った戦術によりゴズハット艦隊は翻弄されていた。
「敵戦闘艇、退いていきます」
「ようやく退いたか、それにしても巧妙な……こちらの戦闘艇は?」
「敵の艦砲の射程内に誘い込まれ被害甚大です!」
「くっ……」
ここベトラント星域は現在のロアキア勢力圏の中で銀河帝国との最前線にあり、ゴズハット艦隊5000隻はテンボルト要塞に籠りながら防衛戦を展開することでどうにか持ち堪えていた。
「援軍はどうなっているか?」
「ワイルター艦隊とメルボド艦隊がこちらへ向かっています。到着まで後4時間」
「うむ、それまではなんとしても持ち堪えるぞ」
一方、その頃ケンプ艦隊司令部の方でも撤退が検討されていた。
「ふむ、そろそろ敵の援軍が到着しても良い頃合いだな。ここらが潮時か、いったん後退して艦隊の再編後撤収に入る」
「はっ、了解しました」
それに答えたのは参謀長のフーセネガー大将である。
「それにしても、あの要塞群の改造が完成すればこちらでの行動
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