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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第三話 邂逅
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面識などない。それでも、その顔には見覚えがあったのだ。
(まさか……いや、でも……そんなことが)
不意に、和音の脳裏にとんでもなく突飛で馬鹿げた仮説が浮かび上がった。
だがしかし、それは決してありえない、あり得る筈のない状況の筈だ。
まさか、自分は――
「おーい! おーい!」
大きく手を振る女性。すでにその顔は和音にもはっきりと見えていた。
「さ……坂本……美緒……少将……」
扶桑ウィッチに知らぬ者はいない伝説の戦乙女。
リバウの三羽烏≠サして大空のサムライ≠ニ呼ばれた大エース。大戦初期から常に第一線で活躍し、その勲功は扶桑随一と謳われた扶桑の英雄。ガリア、そしてヴェネツィアを解放した第501統合戦闘航空団の戦闘隊長であり、そののち欧州駐在武官を経て扶桑本国で空軍の設立に尽力した、和音にとっては憧れでもあったウィッチの1人――
だがそれは、記録の中にしか存在せず、すでに歴史、過去となった人物であるはずだった。
しかし、和音の目の前に、確かにいる。
「救援感謝する。私は、扶桑海軍所属の坂本美緒少佐だ。すまないが、所属と階級を教えてもらえないか?」
「あぁ……ええっと……その……」
混乱し、しどろもどろになる和音。
何やら訝しげに表情を歪める坂本は、しかしそこにやって来た新たな人影を認めて頬を緩めた。
「美緒!」
「ミーナ! 久しぶりだな」
やって来たのは、赤い髪をなびかせた、レシプロユニットを装備したウィッチだった。
さらにその後ろには、まだ8人ほど、同様にレシプロユニットを履いたウィッチが待機している。彼女らの顔を1人ずつ見たその時、遂に和音の頭の中にあった違和感が確信へと変わった。
「貴方が美緒を助けてくれたのね……感謝するわ。私は、カールスラント空軍所属、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です。貴女がいなければ2人がどうなっていたかわからないわ。本当に、ありがとう」
上品な微笑みと共に手を差し出され、半ば夢心地でそれを握る和音
ひょっとしたら夢ではないかという淡い望みは、確かな温かさと掌の柔らかさによってあっさりと突き崩されてしまった。
(ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中将……そんな、どうして……)
元第501統合戦闘航空団隊長にして、現カールスラント空軍中将。アドルフィーネ・ガランド大将らと共に、ジェットストライカー技術と運用法を確立させた立役者。カールスラントの女侯爵≠ニまで謳われた伝説のウィッチが、今和音の目の前にいる。だがそれも、本来ならばすでに歴史となったはずの人物だ。
「そういえば、随分変わったユニットね。扶桑の新型機かしら?」
「ふむ……いつかヘルマ曹長が言っていたジェットストライカーのよ
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