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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第三話 邂逅
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くなったように感じる。知らずこわばっていた肩の力を抜いて、和音は大きく息をついたのだった。






「……どうやら2人とも無事らしいな。しかし、今の攻撃は一体なんだ?」

 戦闘の様子を着水した二式飛行艇の翼面から見守っていた坂本は、魔眼に眼帯をつけなおして安堵の息を吐いた。しかし、安堵と同時に疑念が頭をもたげてくる。今しがたネウロイを撃墜したあのロケット砲のような兵器、あんなものは今まで見たことがない。

(海軍の試作兵器か?)

 救援に駆けつけてくれたらしい名も知らぬウィッチは、上空で待機した状態であたりをきょろきょろと見回している。坂本が手を振ってやると、どうやら気がついたようでまっすぐこちらに向かってきた。
 と、そこへ――

『こちらカールスラント空軍所属、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐。美緒、聞こえる?』
「この声! ミーナか!?」

 坂本の耳に懐かしい戦友の声が飛び込んでくる。
 驚きとともに空を仰ぐと、果たしてそこにはかつて肩を並べて戦った、第501統合戦闘航空団のメンバーらが飛んでいた。どうやら、救援にやって来てくれたらしい。

『ごめんなさい、美緒。救援に遅れてしまって……』
「いや、いい。どうやらあそこにいるウィッチに助けられたようだからな」
『……?』

 そうこうするうちに、名も知らぬウィッチがぐんぐん近づいてくる。
 位置を示すように手を振る坂本は、この後に待ち受ける衝撃を知らないでいた――






「えっと……?」

 ともかく、どこかに降りて状況を掴まないと。
 緊張から解放されて呆然としていた和音の頭に浮かんだのはそれだった。加えて、気を失っているらしいこの小柄なウィッチもどうにかしないといけない。

「……って、なんで今時レシプロストライカーなんて履いてるんだろう?」

 たしかに、新人訓練の過程で使われないことがないわけではないが……
 それに、先ほど戦ったのは間違いなくネウロイではないか?
 そもそも、ここは一体どこだというのだ?

(ダメダメ、冷静にならなくちゃ)

 ともかく、誰か人はいないか。
 きょろきょろとあたりを見渡すと、着水した飛行艇の翼面に立つ誰かが大きく手を振っている。どうやらこちらに来いと言う事らしい。さらに、その向こうからは9人ほどのウィッチとおぼしき人影が近づいてきている。

(そうだ、あの人に事情を説明してみよう)

 和音はそう思い、速度を緩めて飛行艇に近づいてゆく。
 距離が縮まるにつれて、翼面に立つ人の顔が徐々にだがみえてくる。

「………え?」

 そこで、奇妙な違和感を覚えた。
 和音は思い出す。自分は、あそこに立つ女性を――ウィッチを知っている。

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