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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第三話 邂逅
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らば、横ざまからあの落下するウィッチを救出することができるはずだ。

「行けえぇぇッ!!」

 エンジンの爆音を轟かせ、和音は黒いナニかの脇を高速ですり抜け、まさに海面スレスレまで落下してきていた小柄なウィッチを抱き留める。訓練などでもやった事の無い、ある意味奇跡的な救出劇だった。

「よかった……無事みたい……」

 安堵の息を吐く和音。あまりに必死過ぎたせいか、はたまた極度の緊張と集中から解放されたせいか、腕に抱えたウィッチのストライカーがどう見てもレシプロなことや、今では使われなくなった下士官用の制服を着ていることなどこれっぽっちも気がつかない。

『馬鹿者ッ!! 何をしている、さっさと避けろッ!!』
「え……うわあっ!?」

 突然、耳元で雷のような怒号が炸裂し、和音は反射的に抱き留めたウィッチを抱えたまま体を大きく横に投げ打っていた。
 瞬間、今まさに和音がいた空間を、赤い光が薙ぎ払っていったではないか。

「そんな……まさか、本当に……?」

 愕然とした和音が上空を仰ぎ見れば、体表面を赤く発光させた黒鉄の巨体――ネウロイが、とてつもない威圧感と共に和音を追ってきているではないか。

(…………やるしか、ない!)

 和音は実戦を知らない世代だ。そんな彼女が、素早く判断を切り替えられたことは驚嘆に値しよう。海面スレスレを這うように飛ぶ和音は、機速を稼ぎつつ武装の確認と安全装置の解除を行う。

(安全装置解除……全システムオールグリーン……行ける!)

 訓練を思い出せ、と念仏のように頭の中で繰り返す和音。

「JM61A1バルカン……よし……AIM-9サイドワインダー……よし!」

 信を託す武装の状態を確認し、腹の底で深く深呼吸をすると、和音は覚悟を決めた。
 人間一人を抱えている以上、手持ち武装であるバルカンを使うことはできない。
 ――ならば。

「……いけ、AIM-9サイドワインダー発射!!」

 途端、ユニットの側面が展開し、主翼下から勢いよく筒状の何かが射出された。
 これぞジェットストライカーの主兵装にして代名詞――短距離誘導ミサイル『AIM-9サイドワインダー』である。
 放たれたそれは、やおら空中で反転すると上昇に転じ、上空を塞ぐようにして飛翔するネウロイに向けて殺到する。その数4発。

「あたれ!!」

 はたして独特の軌跡を描いて飛ぶ弾頭は、狙い過たずネウロイの巨躯を直撃した。
 盛大に爆発したミサイルは、その破壊力を如何なく発揮し、大型ネウロイの体を木っ端みじんに粉砕した。

「はぁ……はぁ……勝った、の……?」

 粉雪のような破片になって降り注ぐネウロイの残骸を見て、和音の口から力ない呟きが零れた。腕に抱えたウィッチが急激に重
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