暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはVivid おっさん奏でるStory 
Memory;1 覇王が酔いどれと出会った日
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うわ痛そ……)」

 未だに転がり続ける少女に男は思わず同情してしまう。というかこうなったのもコイツが原因であるが。

「とりあえず10分位待つわ」
「……! ……!!」(ゴロゴロゴロ)

 果たして少女に聞こえているか。それは分からないがとりあえずそう言っておいた。

「(ふぅ……。それにしてもこのお嬢ちゃんといい、あいつ等といい、どうして女って奴はバリアジャケットこう……スカートにすんのかねぇ。別に個人の好みにどうこうは言わねぇけど、捲れて恥ずかしがんならズボンとかにすればいいものを……)」





      †





 それからきっかり10分。少女は荒く息を吐きながら起き上がった。

「あー……大丈夫か?」
「ぇ、えぇ。なんとか……」
「そうか。なら、念のため明日は病院にでも行くといいぞ?」
「そうですね……」
「んじゃ、おやすみ〜 ノシ」
「あ、はいお休みなさい……って、ちょっと待ってください!?」

 うっかり、そのままさよならし掛けた所で、少女は男を慌てて止めた。

「なんだ? まさか私の頭を傷物にしたんですから責任とって私の始めても傷物にしてくれってか? OKいいぜ。まずはラブホだ」
「違いますっ! そうじゃなくて最初に言ったじゃないですか! 伺いたいことと確かめたいことがあるって!!」

 キャラ崩壊など気にも留めず、少女は声を荒げる。だが、男の反応は相変わらずのほほんとしていた。

「そうだっけ?」
「そうです!」
「ゴメン、過去は振り返らない主義なんだ。俺」
「そんな過去の話でもないでしょう!? ホンの10分ちょっと前ですよ!」
「チッ、覚えてたか」
「舌打ちされた!?」

 自分は何も悪くないと言うのに何故舌打ちをされねばならないのか。とてつもなく理不尽な気分に少女はさせられた。

「ハァ〜……。んで? 何を聞きたくて何を確かめたいんだ? まさか野郎のスリーサイズを知り、俺が童貞か否かを確かめたいのか?」
「ちがいますっ! ……ふぅ」

 危うく流されそうになり、声を荒げかけて止める。そして一回落ち着いて呼吸をして男を再度見て、言葉を紡ぐ。

「伺いたいことは一つ――『王』達の所在についてです」
「王達の所在だぁ?」
「はい。聖王オリヴィエの複製体(クローン)と冥府の炎王イクスヴェリア。この二人の王の所在を貴方はご存知だと伺いました。そしてもう一つは――」

 そう言いながら少女は構えを取る――瞬間、彼女の纏う雰囲気が変わる。

「私と貴方。どちらが強いのか、ということ」

 そんな少女の顔は、正に戦う者の顔だった。
 そんな少女を見て、男は頭をポリポリ掻きながら小さくため息をつく。

「なるほど……要する
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