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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#11 薄れゆく意識
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鏡を元の位置に戻しながら、話した。これは、彼の仕草だ。……深く、何かを考える時によくする癖。

「ええーっ!何かあったんですか!?大佐がそんな風に言うなんて〜!!」

 だからこそ、アニスはジェイドの言葉を訊いて露骨に驚いていた。仕草もそうだけど、ジェイドがそんな風に言うのが相当珍しいから。最近では特に。

「はっはっはー まあ、こういうこともあるんですよ! ……それで、気になるのは彼の事です」

 ジェイドは視線を、アルの方へと向けた。アクゼリュスの人たちの中心にいる彼の方へと。

「あの男性が、ですか……?」
「ええ……そうですよ。イオン様」

 ジェイドが又難しい表情を作った。難しい、と言うのは 彼の事でだ。頭の中では色々と策を練っているが、どれも確実、とは言い難いのだ。

「彼を……、どうにか……」

 ジェイドが彼について調べたいという事を2人に伝えるその次の瞬間。



「ッつ!」


 アルは、サラと手を繋ぎ、歩いていた時、突如頭を抑えながら、膝をついた。その時に思わず、サラの手を離した

「おにいちゃん……?」

 突然の事に、サラは反応出来ない。ただ……、呆然とアルの方を見るだけで。そのアルは、頭の次は、胸を抑えていた。いままで見た事無いほどの苦しそうな表情を見せながら。

「ぐっ……… だっ……だいじょうぶだっ…… 心配は…… い…………よっ………」

 そして、最後には胸に手を当てたまま、前のめりにそのまま地面に倒れこんだ。その姿を見たサラは絶句する。動かなくなったから。

 最初は、現実感が全くなかったんだ。

「おにぃ……ちゃん……?」

 だって、もう危ない事はなくなった。もう何処にもいかない、と言っていた。……また、一緒にあの秘密の場所に行く約束を交わした。なのに……。

「お……に……ちゃん……?……おにいちゃん!!」

 サラは、倒れて動かなくなってしまったアルに駆け寄った。身体を揺するけど、全く反応がない。

「だっ だれか!おにいちゃんをたすけて! おにいちゃんっ、おにいちゃんっっ!」

 サラの泣き叫ぶ声で、異常を察した皆が集まってきた。


「「「「アル!!」」」」


 ガーランド、レイ、ファン……アクゼリュスの皆全員で、彼の名前を呼び続けたのだった。





――……なんだ…… これ……? あれ??………なんでサラ…… 泣いてるの………?あれ??………皆も……なんでそんな表情(かお)を……? あれ??………何で体がうご……かな………


 アルは、まるで、現実感が無い世界に、立っている感じがした。いや、自分と、他の皆の住んでいる世界が突然変わった、突然切り離された感覚だ。
 そんな世界で
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