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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#11 薄れゆく意識
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どこにもいかないでっ。わたしの、わたしのそばにいてっ……お、おにいちゃんっ……」
涙が枯れる事なく、流れ続けていた。もう、暫くその涙は、止める事も止まる事もなかった。
アルも当然、サラの気持ちは理解していた。……全く同じ気持ちだから。アルのその目から、涙が溢れていた。
「……ああ。 もうこれで大丈夫! 本当に終わったよ……。全部、全部終わったんだ。何処にもいかない。……サラも無事でよかった。 レイさん……ガーランドさん………それにみんなも………」
アルは、泣き続けるサラを抱きしめた。……抱きしめながら、涙を流しながら。そして、周囲をも見渡した。
皆アルとサラを微笑ましそうに見ている。傍には、ガーランドとレイいて、2人もまた抱き合って、涙を流していた。今は、サラに譲ってあげてるんだろう。……アルの事を。
「……よかった。 本当に……。 今日は ご馳走を作るからね。 貴方も、本当にありがとうございました。 どうか、うちに寄ってくださいね。精一杯お礼をさせてください」
レイはジェイドの方を見ながら頭を下げた。ガーランドも続けて、頭を下げる。
「……御心遣いありがとうございます」
ジェイドは、任務を優先さしたいところなのだが。今はまだ
彼
(
アル
)
の事を優先させた方がいいと判断したようだ。現在の彼の情報を知る為にも。このまま、別れるのは愚の骨頂だから。
「さぁ……… みんな! とりあえず、後片付けは、町の大掃除は、また明日だ! 今日は、みんなで騒ごうぜ!! この町を守ってくれたアル達を囲ってな!!」
ガーランドは高らかに宣言した。皆それに乗り、雄たけびのような歓声を上げる。怪我してるって言うのに、疲労だって溜まってる筈なのに、それを忘れたかの様に騒いでいる。……アルもそうだが、町の皆も十分に凄い。
「あ、ははは………。 これじゃ……ゆっくり寝れないね。仕方ない、か。 あ、サラ。 また、あの秘密基地に行こう? 元気になって、また……、あそこに」
アルは、苦笑いをしながら、サラに笑いかけた。
「うんっっ!!」
サラも満面の笑顔で答えてくれた。2人だけの約束を交わして。
街中が歓喜で溢れている時。
「「ジェイド!」大佐ぁ!!」
2人がジェイドの方へ駆けつけていた。イオンとアニスの2人だ。
「終わったんですね…… 良かった。」
片方の1人、イオンはほっと胸をなでおろした。2人は町の怪我人の避難対応をしていたのだ。そして、町の外に避難していた人たちの護衛も兼ねて。アルの指示通り、レイ達は、町から少し離れた所に避難していた。
「ええ。終わりました。ですが、 気になる事がありましてね……」
ジェイドは、少し下にズレた眼
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