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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#11 薄れゆく意識
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っていた。もみくちゃにされ、その事でかなり疲労感があったが、大した事ではない。皆無事だったんだ。今は喜びの方が遥かに大きいから。

「それより……、オレより、礼はあちらの方にもして。あの人がいなかったら、無理だったよ」

 そう言うとアルは共に戦ってくれた男の方を向いた。共闘してくれた彼は、まだそこにいた。

「……貴方の助太刀がなければ、きっと、アイツを倒しきれなかったと思います。……それに、町の皆の被害も拡大していたはずです。 本当に、どうもありがとうございました」

 アルは、頭を下げた。

「……いえ、私はマルクトの軍人です。そして、此処はマルクト領土である、アクゼリュス。……軍人として当然のことをしただけです。礼には及びません」

 アルの礼に、ジェイドは笑顔になり、そう伝えていた。しかし、表情とその言葉とは裏腹に頭の中では、別のことを考えていた。

(彼の力は…… まるで見たことのない。《インディグネイト・デストラクション》。その名から、私が使える譜術に似ています。……が中身は別物の様だ。……大変脅威ですね。 彼の素性とそして力。……彼の全て調べた方がいいでしょう)

 アルの力を目の当たりにして、マルクトに所属する軍人である為、驚異に感じた様だ。だが、まだ彼にはしなければならない事があった。

(……今は大事な任務があります。理想は、彼に我がマルクト軍に入ってもらう事です……が、今無理に彼を連れて行くと、アクゼリュスの住民から、かなり反感を買いそうですね…… さて、どうしたものか……)

 アルを一先ず軍に勧誘(スカウト)する事を考えていた。それは、軍人としては当然の反応だろう。これほどの譜術。大規模譜術、強大な力。ジェイドは見たことがないものだった。
 そんな強大な力に敵国(キムラスカ)の方が気付き、そちら側に行くのはかなり危険と判断したのだ。ここアクゼリュスはマルクト領土だが、問題がある。故に知られる可能性は高いのだ。……今現在、彼の事を敵国キムラスカが知らないと言う保証も無いし、可能性は低いが、既に敵国(キムラスカ)に所属している可能性も有り得る、かもしれない。

 ジェイドが頭の中でどうするか考えを、凡ゆる手段を模索をしていると。


「おにいちゃん!!!」
「わっ!!」

 アルは、またまた背後から声と衝撃が響き、声を上げていた。その衝撃の正体はもちろん彼女だ。

「おにいちゃん! おにいちゃぁん!!!! よかった……、ほんとうに!よかったよぉーーー!」

 彼女、サラは一段と涙を流し、そのまま、アルにしがみ付いていた。遠慮のない泣き声が耳元で響く。……でも、心地よい。

 今日で一体何度目、だろうか? 恐怖と安堵の繰り返しだ。だから……。

「も、もう、
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