17話
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のほうが断然強力であるように思えるが、スロットが長い分、エネルギーは膨大であり複雑で扱いは難しく駆動してからクオーツの性質を反映させるまで、アーツの詠唱なども含めて長くなりがちで扱いを間違えれば失敗の危険性も大きくなっている。
並列式はその分アーツの使用には向かないが身体能力強化という側面では駆動から反映されるまでが早く非常に安定している。
そのため肉体戦闘向きかで戦術オーブメントの調整は変わってくる。
ウェンディは本人の意見を聞きつつ戦術オーブメントの調整を行い、その間にちょっとした世間話になった。
「師匠は旧市街で修理屋をやってるから機会があれば利用してやってよね。そうそう、そういえば帰って来たのならもうオスカーには会ったの?」
「忙しくてまだなんだ。落ち着いたら行こうと思ってるんだけど、モルジュだっけ?働いてるパン屋の名前」
「あいつ、結構凄いことになってるわよ。この前、雑誌で紹介されてたわ」
「昔からハンサムでモテてたもんな。あいつ」
共通の友人が若手ハンサムパン職人だと騒がれていると盛り上がってしまったが、ウェンディがやっていた戦術オーブメントの調整とクオーツの加工が済んだので、それぞれに提出すると全員の希望通りになんの不備もなく仕上げており、ティオも良い腕ですと賞賛した。
オーバルストアでの戦術オーブメントの調整やクオーツの加工の料金は警察が契約を結んでおり基本的には無料である。これは遊撃士協会も同じ契約を結んでいる。職務上絶対に使う必要があり、戦術オーブメントの流通自体が限られているので取り締まる意味もあった。
「これからもちょくちょく利用すると思うから、よろしく頼むよ」
「ゲンテンはいつでもお客様をお待ちしているわ。今度オスカーも一緒に集まって、そうね、食事でも」
「ああ。それじゃあ」
ウェンディに別れを告げ、ロイドたちがゲンテンから出るとこれで準備が整ったといよいよ手配魔獣退治に向かおうとするのだが、ロイドが待ったを掛けた。
「先に遊撃士協会に行っておかないか?」
3人はロイドの言葉の意味が分からなかった。商売敵になる相手だ。あまり良い感情はない。好んで近付く理由はないはずだ。
「武器屋やオーバルストアでも感じていたんだけど、俺たちが遊撃士協会の真似をしている、だから活動範囲が重なってしまうんだ」
ロイドの指摘に3人は真似をするのだからそうなるだろうと真意を図りかねて曖昧に頷いた。
「クロスベルタイムズの記事にも遊撃士協会を真似していると載っていてそれはみんなが知っていることだと思う。“遊撃士協会も”」
ロイドの説明にエリィが、ああ、と納得の声を出した。ロイドは言葉を続ける。
「なら真似された遊撃士協会に警察がどういう風に説明したのか分か
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