二話
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「てことはだ。お前は神で、俺の死ぬ前の行いが良かったから他の世界に転生させてくれるわけか」
「まあ概ねそれで合ってるわ」
俺が要約した内容を照姫 (神っていったら怒られた)に確認すると、満足したように頷かれた。
「なるほどね」
「ちなみに拒否権はないし、世界も私が決めるわ」
「え? そうなのか?」
「ええ、今から貴方がいく世界は私の管理下なんだけど、そこで一つの問題が浮上したの」
ふと、こんな奴でも管理できるんだなと一瞬考えた瞬間、寒気が襲ったので、深くは考えず話に意識を集中する。
「どういうことだ?」
「その世界、まあ外史なんだけど、一つの反乱分子が流れ着いたみたいなのよ。それが邪魔して困ってるってわけ」
「よく分からんが、外史ってことは史実の世界とは関係ないんじゃないか?」
「そういうわけにもいかないのよ、外史っていっても一応は史実と結びついているわけだし、放っておくとなにするか分からないわ。もしかしたら史実に影響が出るかもしれない」
「だから俺をその世界に送ってなんとかさせようってわけか」
確かにただで他の世界に転生できるなんて虫の良い話はないよな。だがそれなら一つ気になったことがあるのだが。
「なんで俺なんだ?」
これである。どう考えても俺以外にも良い行いをした奴はいるだろうし、もっと頭のいい奴や体の強い奴の方が照姫の期待に応えられるだろう。
「私の勘よ、なにか文句でもあるの?」
自信満々な顔をした照姫が不敵な笑みを浮かべながらそう答えた。
「なんの根拠もねえのかよ」
これじゃその外史ってとこにいった途端、死ぬことになるかもしれない。
「まあそのことに関しては貴方が適役だから心配ないわ」
やけに自信を持っている照姫に首をひねったが、もうすでにどうにもならないので諦めることにした。
「さて、それじゃ今から転生してもらうわけだけど、なにか聞いておくことない?」
結構急だと思ったが、こんなところでグダグダしていても仕方ないのは確かだ。
俺は、一つだけ心残りになっていることを聞こうと照姫に目を向ける。
「なら一つだけ。俺が助けた少女は無事か?」
「ええ、あの子は貴方のおかげで無傷で助かり、貴方の代わりに皆を助けるって医者を目指してるわ」
「そっか。なら俺もお前を助けるために頑張ってやろうじゃないか!」
「ええ、これからよろしく頼むわね」
こうして俺は、第二の人生を歩みに転生をすることになった。
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