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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
その身に騎士を宿せし少年の御話・V
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せん。もう5分過ぎてました」
「え?」
驚いて時計を確認すると・・・確かに試合開始から5分以上過ぎていた。どうも互いに戦いに熱中しすぎて時計の確認を忘れていたようだ。つまりこの試合、ルール上は恭也の勝利である。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「あの」
「・・・あ、何だい?」
「その、頬から血が・・・」
「ん?本当だ・・・まぁこれくらいの怪我は良くあることだから気にしなくていいよ」
何でもないように血を拭うが、クロエは僅かながら落ち込んでいるように見えた。チャンバラごっこで相手に怪我を負わせてしまったことの後ろめたさを感じているのだろうと思ったが、彼の眼には微かに『恐怖』が浮かんでいた。
それは恐らく、相手を傷付けるという行為そのものに対する忌避なのだろう。
この子は間違いなく優しい子だ。表情や言葉には出ずとも、それだけははっきり分かった。恭也は笑いながらクロエの頭をなでる。
「人の痛みを理解できるのは大切なことだ。それが出来なかったら振るう力は唯の暴力になってしまう・・・今はそれさえ分かっていたらいいさ」
「・・・はい」
(とはいえ、親父に話さなきゃならないことが増えたかもな・・・)
クロエの武術、異常な身体能力、凄まじい気迫、そしてそれに不釣り合いな優しさ・・・
まぁ、これだけは言える。彼の正体が何であれ、高町家は彼を歓迎するだろうということは。
「さて、そろそろ朝ごはんの時間だ。一緒に行こうか」
「・・・はい」
『どどどどうしようゼルギウスさん!!血が!血がでで出てたって!』
《・・・・・・》
『体は勝手に動くし怪我させちゃうしルール破るしもう最悪だぁ!!絶対嫌われたぁぁ〜!!』
《少年は血が苦手なのか?》
『血を見ると背中を悪寒がサァーっと走って体が震えます・・・時々気が遠くなったり・・・』
《・・・少年は、つくづく争いごとに向いていないな》
表情には出ていないが内心は子ウサギのように臆病なクロエだった。
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│To Be Continued? >
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