試合前の午前
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
PCを一撃で倒したって言うプレイヤーに」
……ん?どこかで聞いたことあるような言葉だな。いや、聞いたことある台詞とかじゃなくてもうすでに理解している。しかし、ALOみたいにこんな近くにも昨日知り合った少女がいたことに正直頭がついていけてない。
「どうしたんですか、優さん?もしかして、そのプレイヤーを知ってるんですか?」
三咲が興味があったのか聞いてきた。
「ああ、知ってる。っていうより実際にやったということを言われて正直なんて返事を返そうかと思ってた」
「「……えぇ〜!!」」
さすがの大声にお袋も自分も少し驚く。
「つまり、優さんが昨日私のアバターがあったゲツガなんですか!?」
「たぶん、三咲さんのアバターがナナミならそうだな」
「ほぇー、こんなに近くに、それにさっき知り合ったばっかりの人がVRMMOの有名人なんてびっくり」
「ん?有名人?」
そう聞いて優は三咲に問い返す。
「知らないんですか?あのゲリラNPCを一撃で倒した謎のニュービーって騒がれてるんですよ」
「そうなのか、喧嘩を簡単に買うのはよくなかったな……」
あの戦いを受けなかったほうがよかったと後悔する。まあ、過去のことは気にしてもしょうがないかと前向きに考える。
「大会で勝ったほうが目立つんですけどね。優さんは大会出るんですか?」
「ああ、ちょっとおじいさんたちとの約束をな」
「やっぱりおじいちゃんたち、優さんにも言ったんだ」
「みたいだな。美奈も純も言われてるんだろ?」
「はい。でもお兄ちゃんはちがうの。お兄ちゃん、前の大会で優勝してるから」
「へぇー、純の奴優勝したのか。つまり、あいつもゲームの中じゃゲリラを一撃で倒せるやろうか」
「うん。それでお兄ちゃんもう一つの方の優勝商品選んじゃって……」
「もう一つのほうはなんなんだ?」
「確か、一時的なパワーアップ装備でした」
となるともしも純に当たるとなると少し厄介になるな。締め技を使ってどんどんその時間を潰していくしかないかもしれない。
「そういえば、純さん、プレイヤーが奈美って知らないで前の大会は倒したんだっけ?」
「うん。でも、今年はお兄ちゃんに負けない。もちろん、優さんにもね!」
そう言って奈美は拳を握る。
「ああ。こっちも負けないからな。もし当たったら俺は手加減しないで行くからな」
「私だって負けません」
「二人とも、そろそろ片付けなさい。ケーキが悪くなるわよ」
お袋に言われたのでテキパキと片付ける。ケーキは普通に美味しかった。
そして、午後一時、BFO大会予選が始まる。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ