九話
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すか?」
「……ああ、問題ない。問題ない以上言った通り契約を結びたい、が」
そういってメガネの男性は周囲を見回す
それに釣られ、レイフォンも周囲を見、先ほどまでまばらにいた人影が一つもないことに気づく
「……出来れば、場所を移さないか」
「……ええ」
逆らう理由はなかった
「では、帰りの分も契約する、ということでいいんだね」
「はい」
喫茶店の中に場所を変えての話し合い
既にレイフォンの桁外れの実力を目の当たりにした男は断る理由もなく、人数的な問題も先ほど見た技、それに自分の仲間にも三人武芸者がいるため問題なく、そのためレイフォンを受け入れた
レイフォンとしても契約してくれるならそれでよく、往復で一年というのなら丁度いいと思い契約を望んだ
「では、これくらいでどうかな?」
そう言い、男が提示した金額にレイフォンは驚く
自分が想定した金額をずっと上回っていたからだ
「え!? こんなに?」
「ああ。先ほどの彼らから比べれば少ないがね」
「……さっきの人たちって、そんなに高かったんですか?」
「いや、そこまででもないよ。確かに割高だったが、異常というほどでもない。あの青年、ルイスという彼が一番強くてね。彼らが全員彼と同じだけの力量を持っていれば妥当。というくらいの値だったよ。その分君は一人だから低くなって助かるから、色を付けてこのくらいにしたんだが…………無論、帰りの分はその時になったらまた払うよ。それでいいかな?」
「あ、はい。お願いします」
「了解した。料金は後で支払うとして、いつ頃出られるかな?」
「ホテルに戻って荷物を取って来れば、直ぐにでも」
「では、三時間後にここに来てくれるかな」
そう言って渡される紙をレイフォンは受け取り、指定の場所を見る
記憶が正しければ、そのバスの停留所は急げば宿から一時間もかからない所だ
レイフォンが頷くのを確認し、男は立ち上がる
「そういえば、まだ君の名前をちゃんと聞いてなかったね。僕の名前はシンラ。シンラ・ライセンスだ」
「レイフォン・アルセイフです」
「そうかレイフォン。ここの代金は僕が受け持とう。では、三時間後にまた」
三時間後、指定の場所に行くと既に彼らは準備を終えていた
見る限り約十五人。ここまで乗ってきた放浪バスとはやや違う、改造されたバスの前で待っていた
既に説明されていたのだろう。やって来たレイフォンに疑問をロクに持たず、めいめいにバスに乗り込んでいく
そんな中、シンラがレイフォンのもとに歩いてくる
「来てくれたね。あれが僕たちのバスだ。乗ろう」
「あ、はい。……そういえば、どこに向かうんですか?」
今更といえば今更だが、やっとのこ
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