九話
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剄量を感じ取った危機感、そして僅かに見えた姿から全身のバネを動かして体を捻り、青年は右斜め後ろにいた相手、レイフォンがそこで剣を振るう姿を確認する
(間に合わねぇ!)
このままではくらうと確信した青年は捻るのではなく力を足に向け、全力で地を蹴る。同時に右手を翳して力を入れ、振るわれる剣を爪で受け、想像して以上の衝撃に空中で姿勢が崩れながらも左手を振るい、爪から剄を放つ
「全員で囲め!」
レイフォンの剄を感じ取った瞬間、錬金鋼を復元した青年の仲間が動き、男性の指示によって動き出す
ここがグレンダンでない以上力を隠す必要はなく、護衛としての選定を兼ねているためレイフォンは出し惜しみするつもりはない
千人衝を使い、三人増やして青年の仲間たちへ向け、自身は向けられた衝剄を正面から叩き潰して青年へと向かい剣を振るう
地に爪を指して体を支え、既に体制を整えていた青年は振るわれた剣を受けようと右の鉤爪を翳し、左の鉤爪を迎撃のために振るうが、振るわれたそれは圧倒的剄量差を持って一刀のもとにはじかれ、そこに蹴りを足元にくらい地に伏せられ、そのまま剣が首筋に翳される
「……これでいいですか?」
見れば青年の仲間達も既に無力化され、その首筋には例外なく剣が翳されている
「……ああ。少年、お前つええな」
負けを認め青年が錬金鋼を復元状態に戻したのを確認し、レイフォンが剣をどけるのと同時に分身が消え他の三人も解放される
「あれだ、少年が言ってた、老生体? ってのはなんなんだ?」
「ええと、繁殖を放棄した個体で、雄性五期が脱皮したものです」
「……それって強いのか?」
「確か、都市が半壊するのを覚悟すれば、勝てるかもしれないらしいです」
「かも、か。はっ、こりゃはなっから全員でかかっても無理だったな。少年、お前名と出身は?」
「グレンダンで、レイフォン・アルセイフです」
「ああ? そこって潰れたんじゃなかったか? ……まあいい、俺はルイス・アルベンドだ。レイフォン、ね。…………次会ったら潰す。背中に気つけろや」
そう言いながら立ち上がり、青年はキャラバンの男の方を向く
「んじゃ、そういう訳だからよ。俺たちは今回の契約白紙ってことで」
「……あ、ああ。分かった」
「そんじゃオヤジ。さっさと次行こうぜ」
唖然としていたキャラバンの男に声をかけ、青年は仲間たちの方へと歩いていく
「調子に乗るからだ馬鹿野郎」
「おいおい、オヤジなんか速攻でやられてたじゃねぇかよ。ちったぁ俺以上に足掻いて見せろや」
「……歳か」
「上には上がいるもんだなぁ……」
そう愚痴をたたきながら、彼らは歩いて去っていた
「これでよかったで
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