第三十一話 怪談話その十四
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「あちこちで自殺したとか交通事故とか」
「そういう事情でもですか」
「いるんですか」
「殺された人の幽霊とかもな」
この場合もあった、戦後の話だがとある連続殺人鬼に殺された女性の幽霊が出るという話もある、あくまで噂であるが。
「あるで。けど京都には負けるやろな」
「あそこは多過ぎるじゃろ」
宇野先輩は高見先輩に顔を向けて言う、既に右の膝を立てている。
「また」
「まああそこはな」
高見先輩はここで言う。
「ほんまちゃうからな」
「どんだけあるんやって話じゃからな」
「百鬼夜行とかあるんやろ」
これは古典にもある、あわわの辻という場所のことだ。
「あと耳なし芳一もやし」
「あれも京都じゃったな」
「鬼もおるしな」
「その話も多いんやろ」
「あそこは怪談でなってる街やで」
そこまで多いというのだ、これは歴史があるから必然的にそうなったという一面もある。
「一から十まで全部やさかいな」
「どっかに橋にも鬼出たじゃろ」
「一条戻橋やったか?」
「何か人取って食べるっていう」
「母親に化けて出て来るっていう」
「出て来るわな」
そうした話をするのだった、先輩達は自分達の故郷よりも京都の話をするのだった。
そしてその京都にルーツのある里香がだ、その先輩達に彼の名前を出した。その彼とは。
「源義経もですよね」
「牛若丸か」
「あの人じゃな」
「はい、あの人鞍馬山で修行してましたけれど」
伝説である、源義経にまつわる逸話はそうしたものも含めて多い。
「そこで」
「天狗やったな、確か」
「烏天狗じゃろ」
「あの妖怪が修行相手だったそうですね」
この伝説は半ば史実になっている、ただし真実は不明だ。
「何でも」
「それうちも聞いたで」
「わしもじゃ」
二人共鞍馬山についてすぐに答えてきた。
「それで義経さん剣道上手やったんやろ」
「八艘跳びも出来たんじゃけえ」
「まあほんまかどうかわからんけどな」
「凄い身のこなしやったんやろ」
「私本当に言われたんです」
里香は義経と天狗の話をさらにしていく。
「天狗はいるって」
「うちの学校の神社にも出るって話あるわよ」
景子は今衝撃の事実を話に出した。
「そうね」
「えっ、そうなの」
「ええ、私のお家で子供の頃から聞いてるし」
景子は今の話を聞いて驚く里香にさらに言う。
「八条神社でも宮司さんに教えてもらったの」
「あの神社に天狗がいるの」
「烏天狗もいるけれど」
その義経に剣を教えた彼等がだというのだ。
「大天狗もね」
「あの顔が赤くて鼻の高い天狗よね」
「そう、その天狗もね」
「うちの神社に天狗いるの」
「そうみたいよ、この話は里香ちゃんも知らなかったの」
「河童や口裂け女はいる
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