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Magical Girl Lyrical NANOHA− 復元する者 −
第1話 始まりの日
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聞こえないわよ」


葛葉の言葉にアリサが耳を澄ませるが、何も聞こえない。
すずかも不思議そうな顔をする。


「空耳か?」

「そうじゃない」

「……」


何か釈然としないながらも自分を納得させ、歩き出そうとするが……。


(……誰か……)

「っ!?」


再び頭に響く声。
今度は、先程よりもはっきり聞こえた。
声の感じる方向に視線を向ける。
横にいるなのはも同じ方向を向いていた。
歩道沿いの林の中。


「葛葉も聞こえた?」

「あぁ……なのはもか?」

「?どうしたの、二人共?」

「気のせいじゃない……」


確かに聞こえた、助けを求めるような声。
すずか達には聞こえないのだろうか。
二人を見て、首を傾げている。


「こっち!」

「あ、なのは!」

「なのはちゃん!」

「もう、何なのよ……」


なのはが林に駆け出していく。
急に走り出した彼女を追い掛ける三人。
歩道沿いの柵を越え、林の中に入り、進んでいく。
なのはを追い、林の中を突き進んでいくと、少し開けた場所に出た。
そこには何かを抱え込むように座っている妹の姿。
腕の合間から覗く小さな生き物。
少し汚れているが、綺麗な毛並みをした小動物。
イタチの様に見えるが、少し違う?

動物を心配そうな顔で見るなのはに、三人が駆け寄っていく。
葛葉がなのはに声をかける。


「なのは」

「あっ……葛葉」

「急に走り出すな。危ないだろう?」

「ごめんね……だけど、この子が」

「そう、その動物どうした?」

「ここに倒れてて、怪我してるみたいなの」


なのはがイタチもどきに視線を移す。
葛葉も気になり、覗き込むように見た。
確かに、擦り傷等が見受けられる。
他の動物と喧嘩でもしたのだろうか。
葛葉の左右からアリサとすずかも、なのはの腕に抱えられているイタチもどきを見る。


「イタチかな?」

「フェレットじゃない?」


動物の種類について議論する二人。
だが、今はそれどころではない。


「この近くに動物病院ってあったか?」

「うん、この先にあったはず……」

「じゃあ、行こう。此のまま居てもしょうがない」


なのはを立たせ、手をひいて歩き始める。
アリサとすずかもそれに続く。
林から抜け出し、目的の病院へと歩を進める。
優しく不安げな表情のまま歩くなのは。

暫く歩いていくと目的の病院に付き、イタチもどきを診察してもらう。
怪我は軽いものであった様で、大事はないと先生が話す。
飼い主がいるのか、野生動物かどうかは確認が直ぐに出来ないため、今日は病院で預かってもらう
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