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Magical Girl Lyrical NANOHA− 復元する者 −
第1話 始まりの日
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もう、良い大人だ。
未だに目的も定まらず。
ただ、生きているだけ。

神は何故、僕を転生させたのだろう。
僕にそんな価値があるとは思えない。
自我がはっきりしてから考え続ける命題。
答えはまだ見つからない。
此処に入れば、見つかるだろうか。

前世では見付かる事が叶わなかった。

僕の道。

幸福の在処を……。








放課後。
四人並んで並木道を下校する。
アリサとすずかは普段、習い事等で一緒に帰れる事は少ない。
二人とも、良家のお嬢様であるが故に色々と大変そうだ。
楽しんでやっているようだからタフだな、と思う。
今は自分の横で楽しげになのはと話している。
その中で会話の方向が葛葉にも飛んできた。


「葛葉、アンタも習い事とかしたら?」

「例えば?」


どうやら、なのははまだ将来の夢というやつに悩まされているようだ。
アリサとすずかが、何か習い事をしたら提案したのだろう。
無難なアドバイスだが、間違いではない。
何処で何が切っ掛けになるかは解らない。


「ピアノ……とか?」

「それ、二人ともやってるだろ?仲間欲しいだけじゃん」

「ふふふ、バレた?」

「だけど、葛葉…ピアノ弾けるでしょ?」

「二人が弾いてたのを見よう見まねで弾いただけだ」

「それはそれでムカつくはね」


苦い顔をして此方を見てくるアリサ。
涼しい顔で受け流す。


「葛葉って大抵の事は何でも出来るからね」

「なのは、それは言い過ぎ。出来ない事ぐらいある」


何処の完璧超人だ。
出来ない事等、腐るほどある。


「そうかな?」

「なのはより理系の点数が悪い」

「それは苦手なものでしょが!」


アリサからツッコミが飛んできた。
しかし、事実。
理系はなのはが得意。
逆になのはは、文系が不得意だが、僕は文系が得意だ。


「兄妹で得意なものが分かれてるよね?」

「双子だからな」

「関係ないでしょ、それは」

「お互いに足りない部分を補ってるだよ」

「ものは言い様ね」


話しながらそのまま、道なりに話しながら下校していく。
すると、突然なのはが周囲を見渡し、キョロキョロし出す。
不思議に思い、声を掛けようとしたその時………。


(……誰か……)

「は?」

「?……何? 葛葉くん」

「すずか、何か言ったか?」

「ううん、何も言ってないよ?」


葛葉の疑問にすずかが首を振り、否定する。
不思議に思い、当たりを見渡す。
気のせいだったのだろうか?


「どうしたのよ?」

「何か聞こえないか?」

「?……何も
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