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Magical Girl Lyrical NANOHA− 復元する者 −
第1話 始まりの日
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くさい事この上ない。
小学三年生にもなって一人で起きれないとは情けない。
とはいえ、遅刻させる訳にもいかない。
母の言葉に従い、席を立ち、起こしにいこうとする。
それど同時に、二階から大声が聞こえた。


「にゃゃゃゃゃゃ!!」


家中に広がる焦ったような声。
それを聞き、葛葉から溜め息が盛れる。


「起きたか……」


起こしにいこうとする矢先であったが、どうやら我が家の姫君は目覚めたようだ。
視線をそっと居間に置かれた時計に移す。
時間的余裕はほぼない。
改めて、深い溜め息が口から零れる。

僕の1日はこうして始まる。
いつも通り、何事もなく。
今日も愚妹を引き摺って、バス停まで走らなければならないと思うと気が重い。




★★★★★




通学に通うバスの中。
バスの奥に座る四人の子供。
一人は葛葉で、疲れた顔をしている。
もう一人は彼の妹。
茶髪を白いリボンでツーサイドに纏めている少女…高町 なのは。
その隣に並んで座る二人の少女。
金髪の少女は、アリサ・バニングス。
紫掛かった黒髪の少女は、月村 すずか。
小学一年生からの友達である。
今もとても仲が良さそうに話している。


「葛葉くん大丈夫?」

「毎回毎回、大変ねぇ、アンタ」

「もう次回は見捨てていく」


アリサとすずかの気遣う言葉に肩を落とし、息を吐く。
このバスに乗るまでの道行き。
寝坊したなのはを担ぎ、猛ダッシュ。
何とか、出発時間ギリギリに間に合った。
お陰で朝からどっと疲れた。


「明日から問答無用で置いてくからな」

「葛葉〜見捨てないで〜!」


無慈悲に告げる葛葉。
それを聞き、なのはが横に座る双子の兄の腕に抱き付く。


「離れろ。ウザい」

「酷い!」

「自業自得だ」


毎回起こしに行く身になってほしい。
疲れる事この上ない。


「頑張って起きろよ」

「むぅ〜……葛葉のイジワル」


腕に抱き付きながら、葛葉を恨みがましく見詰めるなのは。
その視線を彼は涼やかに受け流す。
他愛もない兄妹の会話と友人達の語らい。
前世で望んでも手に入らなかった日常を葛葉は謳歌していた。










バスは予定通りに学校に到着。
バスから下りて、四人は校門を通り、校内に入っていく。
教室に向かい、クラスメイト達と挨拶を交わす。
自分の席に座り、授業の準備を始める。
2度目の小学生故に、授業内容は楽勝だ。
授業の準備だけをして、寝る体勢に以降する。


「あ、ダメだよ。ちゃんと起きてないと」

「聞かなくても余裕だよ」

「アンタねぇ〜」



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