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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#10 共闘……そして決着
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た。そして、眼を瞑り、精神を集中させた。最大の力を持って、攻撃する為に。

「来れ3つの裁き。開け冥府へ続く扉。 …集え三幻神。無慈悲なる咆哮を彼の者に与えん」

 詠唱を唱えながら、指先で空間に図形を描いていく。光のラインが空へと駆け上り、瞬く。まだ、譜術が発動していないと言うのに、空間が歪み、周囲には圧力の様なモノが生まれた。まるで、大気が震えているかの様に、震えに震え、空間がその振動に追いつかず、歪んでいるかの様だ。

「!!」

 それ(・・)は、異常な力だった。

 一体どんな力なのかは、わからない。ただ、本能的にわかる。人は、古来より天災を恐れてきた。なぜか? 圧倒的であり、そして判らない力だったからだ。その場所でいた全員が、それを感じていた。

 勿論、途中で参戦してくれた男。《ジェイド》もその力には気付いていた。気づかない筈は無い。直ぐ後ろで恐ろしいまでの力が集束、それは大気をも震わせていたのだから。


「ッ!いったい何ですか……これは、この力は!」

 ゴーレムへの追撃の手をも止め、思わず見入ってしまう程。軍人としては有るまじき行為。敵前で視線を反らせてしまうと言う愚行。ベテランである彼がそれを起こしてしまう程の現象。
  
 それは、あの男から迸る凄まじいエネルギーからだ。

(これは……まずいっ!!)

 その正確な攻撃範囲に関しては判らない。でも、本能的に判った。今の立ち位置が危ないと言う事を。

「ッ! 直ぐにその場から離れろっ!!」

 アルは、ジェイドにそう叫んだ。この力の強大さは、自分自身がよく判るからだ。巻き込んでしまう事、そして巻き込んでしまえば、非常に危険だと言う事も。

 だからこそ、力いっぱい叫んだ。

 ジェイドはと言うと、アルのその言葉を訊く前に、既に回避行動を取り離れていた。あの譜術の危険度には肌で感じていたから。『今すぐ全力で回避せよ!』と、身体が信号を発していたから。

 アルは、ジェイドが離れた事を確認すると、ゴーレムの方を向き手を上げた。

「これで最後だ! 永久に眠れ、土塊の巨人よ。 《インディグネイト・デストラクション》」

 空に開いた扉。冥府への扉。そこから強大な三本の光が降り注いだ。光の柱がゴーレムを包み込み、そしてを包囲した。逃げられない様に、……逃がさない様に。

 上空から見てみれば、ちょうど正三角の形になっている。


「グ!! オオオオ!!!」


 ゴーレムは、自分自身に何が起こるか悟った、と言うのだろうか? 感情など持たない土の塊であるゴーレムが、明らかに動揺した素振りを見せ、回避行動をとろうとしていた。決死に、その場から離れようとする。……が、光の柱は敵を逃さない。包み込んだ光は敵の自
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