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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#10 共闘……そして決着
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須だ。詠唱の言葉のひとつひとつに力があり、それを完全に理解し、力を込める事で始めて力として発動する事が出来る。それが譜術だ。 だが、強力な譜術程、膨大な詠唱を必要とするのだ。だから、1人しかいない今、この相手に使う事が難しすぎる。
 そして、周りにはまだ、動けない人たちはいる。この巨大な攻撃は全て、余波が発生し、衝撃波となって周囲に襲いかかるのだ。そして、何よりも彼らが標的にならないように、自分自身に向けるのも大事だ。

 つまり、今は詠唱をする暇もないし、状況も最悪。
 そう思っていたその時だ。


「炸裂する力よ……。《エナジー・ブラスト》」

 突然、後ろから声が聞えた。
 そして、その次の瞬間、空間が突然爆発、衝撃が起こり、ゴーレムを襲った。

「グ オ オ !!」

 ゴーレムは、突然のその衝撃に、驚いたのか、或いは強烈な一撃だったのか、呻き声を盛大に上げていた。

「ッ!な……なんだ!??」

 アル自身も驚いて、振りかえる。もしも、敵。モンスターであれば最悪だからだ。
 
 振り向いた、そこには、長身長髪の男が立っていた。

「あ…… あなたは?」

 一先ず、モンスターじゃない事を確認すると(声が聞こえていたから、十中八九は人だと思っていたが) その男は首を左右に振った。

「……今は、お互いに自己紹介をしている暇はありません。 ゴーレム(アレ)を早く始末する事が先決でしょう」

 男はそういうと、両の手を合わせ、何処からか槍を取り出して構えた。敵では無いどころか、助太刀をしてくれるようだ。願ったり叶ったりだった。

「ありがたい。これで……アイツを仕留めれる!」

 戦える者が1人から2人になった事で、譜術を使用する隙が圧倒的に多くなったからだ。勿論、その間に1人で相手をしなければならない、と言うリスクは当然あるが……。

「瞬迅槍!!」

 男は、取り出した槍をまさに疾風の速度でゴーレムの足に槍を突き刺した。かなりの威力なのだろう、あのゴーレムにとっては、針程の大きさの槍が当たって、足がぐらついた。

 この男の正体はわからないが、リスクをものともしない程に、相当な手練れであると言う事はよく判った。
 
 男の攻撃は、槍による一撃ではなく、あの槍で足止めをした後、すかさず追撃を入れる。

「唸れ烈風!大気の刃よ、切り刻め!《タービュランス》」

 突然、巨大な竜巻が出現し、真空の刃をもって、ゴーレムを切り刻んでいく。相手が巨体の為、竜巻で浮き上がる事はなかったが、風の結界の様に、ゴーレムの動きを封じ込んでいた。

 動きを封じてくれている今、勝機、と言うよりも千載一遇のチャンスと言えるだろう。

 アルはその瞬間、頭に浮んでいる術式を再び描い
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